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タフシリーズにまつわる、エピソードを紹介:Toughストーリー

タフ 誕生秘話 開発者の熱い思いから始まった、OLYMPUS Toughシリーズ誕生の道。

異例の試作品スタート

ファームウェア:川口勝久

ファームウェア
川口勝久
電気系統の設計を担当。友達のカメラボタンをむやみに押しまくり、バグを発見すると喜ぶ職業病の持ち主。

モノ作ったほうが早い!

通常は、周到に準備された商品化計画に基づいて作られるカメラだが、「モノを作ってしまったほうが早い!」と語る森は、同じメカ系開発の仲間たちと一緒に、いきなり試作品を作ってしまう異例の行動にでた。
試作品ができたところで、森はこのカメラを他の開発者に見せてまわった。最初に興味を持ったのは、ファームウェア(電気系統)の開発者川口である。デジタルカメラは家電製品でもある。すべての機能や動きは電気によって制御される。もちろん、試作品も同様である。「メカ屋(メカ系開発者)さんが、試作品を実験・検討するうえで、いかに確実に前倒ししてファームウェアを開発できるか・・・」と、自らの過酷な使命を淡々と語る川口。
強力なメンバーを得て稼動する状態の試作品を作った森は、社内の実験施設では満足がいかず、自費で沖縄に行き海に潜って実写したのである。実写を通して彼らはこのカメラの商品性に強い自信を持つことができた。

社内評価は「売れない!いらない!」

試作1号機試作1号機

後日、この試作品を社内の商品企画部門に対して商品化すべきとの逆提案をした。もちろん、前述の実写サンプルも提示してのことである。しかし、社内の反応はとても冷たかった。「ニッチだ」「大きすぎる。分厚い」「これでは売れない。いらない」と散々な評価である。
しかし、これには訳がある。実は試作品は、素潜りというよりもダイビング仕様に近かった。いくら薄型を目指した設計とは言え、当時の技術ではボディサイズは世の中の薄型カメラよりは、当然大きくなってしまう。それでも欲しくなる人がどれだけいるだろうか?要はバランスの問題である。

防水と薄型の両立、さらに・・・

試作1号機とμ720SW試作1号機とμ720SW
試作品は確かに大きい

改めて使用シーンから見直すこととした。前述の商品企画部門ともディスカッションを繰り広げた。防水であることを望む人は多いが、水中深く潜るダイビングまで行うケースは少ない。水深3mもあれば充分だろう。しかし、薄型であるからこそ気軽に扱えるが、誤って落としてしまうことも多いだろう。カメラを構えた位置、ポケットから落としてしまう高さを想定し、耐衝撃性1.5mの目標を新たに掲げた。 方向性は見えてきた、設計を大幅に変更し再出発である。