自分が欲しくなるカメラ
「自分が欲しくなるようなカメラを作りたい!」と熱く語る森は、休みの日にはダイビングを思いっきり楽しむアウトドア派の開発者だ。普通の商品開発のあり方は、商品を企画する部門からの要請により、はじめて開発がスタートする。しかし、森はそれを潔しとはしない。自ら考え、“まずは自分が欲しくなるカメラを作りたい”と常々思っていた。
薄型デジタルカメラ全盛期の到来
デジタルカメラは、CCDの画素数と共に市場も成長を続けてきた。ところが、約3年ほど前から主に日本市場を中心として、“デジタルカメラ=薄型”がヒット商品のキーワードになっていた。どちらかと言うと、例え小型であっても、ホールディングしやすい形のカメラが売れる欧米市場を重視していたオリンパスは、薄型市場においては出遅れたと言えるだろう。この頃、社内では薄型カメラの開発について、何度も議論がなされていた。
「競合他社から、続々と薄型カメラが出る中で、いまさら単に薄いデジタルカメラを作っても売れる訳がない。オリンパスらしいユニークな薄型でなければならない!」と・・・。