OM-D E-M1Xが鉄道撮影に最適だと思う理由

「鉄道撮影にこれ以上のカメラはない」と強く断言できるカメラが発売された。定評あるOM-D E-M1 Mark IIの機能に加えてインテリジェント被写体認識AFが搭載されている。鉄道モード(これだけでも物欲がそそられる)に設定すると鉄道車輌を認識してAFが追尾するというもの。従来のAFからさらに進化した、この機能を中心に説明したい。(写真家 広田 泉)

OM-D E-M1 Mark IIが発売されて約2年。すっかり自分のメイン機として活躍してくれている。
機能もさることながら自然な色、光が再現できるところが気に入っている。
次はどんなカメラが欲しいか?いや、今のままで十分。でも、あえて言うならば大きさの制限から解放された、ものすごいカメラにも期待していた。
マイクロフォーサーズのカメラ=軽量コンパクトという図式は分かりやすい。
しかし、それはひとつの側面にすぎないと思っていたからだ。

今回OM-D E-M1Xには革新的な機能が多く搭載されているけれど自分にとって興味深い機能はインテリジェント被写体認識AFだ。
通常は被写体を距離で捉えてフォーカスを合わせる。
でも、この機能は鉄道車輌を形で認識してピントを合わせ続けてくれるのだと言う。
半信半疑で撮影地に向かった。

このような離合のシーンでも一度認識したら食いついて離れない。実に精度の高いAF性能だと感じた。
設定する際に鉄道というモードを選ぶ。今までカメラ内にこんな文字をみることがなかっただけに何だか嬉しい(笑)

1.AF方式は「C-AF + TR」に設定(他のAF設定では動作しません)

2.追尾被写体設定を選択

3.「鉄道」モードを選択

通常の撮影では、まず問題なく作動する。あっけないほどピントが合ってしまう。
感激したのは、このようなシーン。

雪の中で撮影しようとすると手前の物にピントを合わせようとするAFの性質から雪と列車にピントが行ったり来たり、このような写真になってしまうことがよくある。
ところがインテリジェント被写体認識AFは形として認識するから手前に雪が降っても草が揺れても何かが横切ったとしても狙った鉄道車輌だけをしっかり追い続けてくれる。

ちなみに雪の中で撮影を続けても誤作動することもなければバッテリーがダウンすることもなかった。
大雨の中でも全く問題なく撮影することができて誤作動も起こさないというのは本当の意味でフィールド撮影に適したカメラだと感じる。

▲衝撃的な映像だけど、このカメラの防塵防滴性能は本物だった。