川霧で有名な第一只見川橋梁もまた世界中から撮影者が集まる場所になっている。
この日は霧の濃度も高く到着した時は完全にホワイトアウトしていた。刻一刻と霧の位置や濃度は変化するからベストな構図も常に変化する。こういった場合は三脚に固定するよりは手持ちで自由度を優先させていたほうが確実に、その瞬間のベストに対応した写真が撮れる。
というわけで、三脚は諦め構えた状態で待機した。少々遅延しているため、どのタイミングで列車が来るのかは分からないのが厳しいところだ。しかし、ここで気づいたことがある。それはE-M1 Mark IIに同じレンズをつけた時よりも確実に構えやすくなっているということ。
おそらくグリップの形状がいいのだと思う。僅かな力でしっかり構えることができるのだ。
持つ。構える。このふたつは似ているようで実は大きく違う。持つときに、いいと感じるグリップは撮る時に最適ではないし撮るのに最適なグリップは少し持ちにくいと感じることもある。
多くのカメラは持つ時のことを重視してデザインされている。
売れ行きに影響する部分であるから仕方ない。
しかしこのカメラのグリップは間違いなく撮るときのことを考えて作りこまれていると感じた。このあたりも本当の意味でプロ仕様なのだと実感できる。
このカメラは様々なタイミングで「本当の意味でのプロ機なんだ」と感じることが多い。
堅牢性と操作性。撮影者をアシストしてくれる様々な機能や造形。派手すぎることのない自然なテイスト。何よりもE-M1 Mark IIと同じ絵づくりをしてくれているところは個人的には大歓迎な要素。
多くのユーザーがそうでるように私もまた今後2台を選択しながら使い分けていこうと考えているからというのが、その理由。
違う絵づくりのカメラを2台持つと仕上がりなど様々な計算をしなければならないわけで共通の絵づくりというのは本当にありがたいことなのだ。
メーカーとしては少し画素数を上げたりプラスアルファの要素を加えたりすることで販売促進に繋がるはずなのに、あえてそれをしなかったのは本当に撮ることのことを考えているからなのだと感じる。
そのあたりも含めてプロ仕様なのだと思う。
ここ何年かはカメラが変わっても写真が変わることはなかったけれど、E-M1 Mark IIを使うと写真が変わると言われた。
E-M1Xを使うと、さらに写真は変わる。
奇をてらうという意味ではなくて様々な機能アシストによって写真の大切な要素である画面構成に100%集中できるところが、その理由なのだ。
もはや様子を見ている場合じゃないってことに気づいてもらえるだろうか。