OM-D E-M1 Mark IIと作る!鉄道写真新時代

ハイレゾショットの底力

小型で携行性に富み、ここぞというショットを逃さない機動力では圧倒的優位を誇るOM-D。でも「私は車両や駅舎、施設などをきっちりと・最高の画質で撮っておきたい」という方も当然おいでだろう。「形式写真」は鉄道写真の大事なジャンルである。このためだけにフィルム時代、普段は35mmを使いながら67や、はては4×5までに手を出した人もたくさんいる。

ここはOM-D「ハイレゾショット」の見せ所だ。センサーが0.5ピクセル毎に微小にシフトして8回の露光を行い、最高8000万画素(E-M1 Mark II、RAW、OLYMPUS Viewer 3 Ver.2.0<64bitOS環境で生成>)という現行コンシューマー機最高の画素数の画像を生成する。4点、夜の作例をご覧にいれたい。ぬめるように描写された質感が圧倒的迫力だ。

三脚必須、動いているものは撮れない、など…という制約はあるが、思えばこれは「4×5」の制約とほぼ同じもの。かつて「大事なカットは最も大きく重い機材で撮る」のがなかば常識だった形式写真。あまたある機材を差し置いて、最も小さく・軽いOM-Dが一番の後継の名乗り上げだというのも面白い。

白熱灯照明がひときわ暖かに感じられる、冬の夜。その場の清冽な空気までも閉じ込めたような、ハイレゾショットの超高描写。

夜、静まり返った構内で憩うラッセル車。昭和9年生まれの重厚な存在感こそハイレゾショットで対峙したい。

インドネシアにわずかに残った産業用蒸機。主燃料は藁くずのようなバガスだ。時折吹上げる花火のような火の粉が常夏の国の夜空を彩る。

  • 絞り値:F5.6開放
  • シャッター速度:2.5秒
  • 焦点距離:142mm
  • ISO感度:200
  • OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II
  • ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6

以前購入した昔のレンズを使ってみる。E-M1 Mark IIの121点オールクロスタイプの像面位相差AFはフォーサーズレンズにも使用可能だ。動作もアダプターを介したストレスはほとんど感じない。もちろんハイレゾショットも機能する。