Photo Recipe(フォトレシピ)
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OM-Dで撮る京都の四季
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撮影・解説 : 北奥 耕一郎
2023年8月公開
記事内で使用した
レンズをご紹介
旅行とOM-D
旅行に携行するカメラは小さくて軽い方がいいですよね。PENシリーズも小さくておしゃれなのですがOM-Dでもレンズを選べばさほど荷物にはなりません。私は今までにOM-D E-M1シリーズとM.ZUIKO DIGITAL レンズとの組み合わせで11万回シャッターを切りました。F4.0固定で評価の高い12-100mmレンズは少し重くはなりますがこれなら一本ですますことができます。F2.8の12-40mmレンズやF1.2シリーズの単体レンズとの比較は「秋編」をご覧ください。
ではOM-Dとお気に入りのレンズを持っていざ京都へ!
京都とOM-D
観光客数が年々増え続ける京都の寺院などでは混雑のため三脚がほとんど使えなくなりました。しかしミラーレス一眼のOM SYSTEMのOM-Dシリーズはミラーショックがなく、さらに5軸手ぶれ補正のおかげでかなりのスローシャッターでもブレないので三脚が要りません。E-M1 Mark II+12-100mmレンズではなんと4秒まで手持ちが可能で夜景もOKです(秋編を参照)。さらにバリアングルの液晶でハイアングルもローアングルも撮影可能。それにシャッター音が静かなので寺院撮影の多い私はずっと愛用しています。
京の春は北野の梅から
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梅の名所といえばまず浮かぶのが北野天満宮でしょう。名残雪の紅梅は可憐です。
焦点距離:300mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/350
露出補正:+0.5EV
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2月25日の梅花祭にて。今度は白梅が背景の幕の色と調和して一段と京都らしい雅な姿を見せてくれます。
焦点距離:300mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/350
露出補正:0.0EV
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芸妓君香(きみか)さん。美しいお顔と艶やかな着物が春の到来を告げています。
焦点距離:160mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/180
露出補正:0.0EV
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建仁寺でお坊さんをスナップしました。正面から撮影するのは遠慮して横か後方から背景を選んで撮影するとよいでしょう。
焦点距離:300mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/1500
絞り優先AE
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ついに桜が咲きました!アップで写す時には背景にも桜を入れれば色が映えます。桜の名所は数えきれないほどありますが、観光客が比較的少なく撮影しやすいところは洛北妙満寺、圓光寺、鷹峯常照寺、上賀茂神社、大覚寺、京都御苑(写真)、山科毘沙門堂、勝持寺、善峯寺などです。
焦点距離:270mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/350
露出補正:0.0EV
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鷹峯(たかがみね)の常照寺では4月の第三日曜に吉野太夫(よしのたゆう)花供養があり、赤い野点傘(のだてがさ)と桜を重ねて撮ると桜の色がより華やかになります。他のお寺でも野点があればこのような写真が写せます。
焦点距離:94mm相当*
絞り値:F5.4
シャッター速度:1/125
露出補正:0.0EV
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圓光寺の夕刻、明るい単焦点レンズを絞り開放にしてバックの行灯をぼかしてみました。5軸手ぶれ補正でカメラブレの心配がないので手持ちで撮影。三脚と違い、自由なアングルで撮影できるのがいいですね。
焦点距離:90mm相当*
絞り値:F1.8
シャッター速度:1/350
露出補正:-0.5EV
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上賀茂神社では4月の第2日曜午後1時から賀茂曲水宴(有料)が執り行われます。雅楽や箏曲(そうきょく)の調べの中、往古の平安の宴が再現されるのでタイムスリップした平安絵巻を写し撮ることができます。
焦点距離:58mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/90
絞り優先AE
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その平安絵巻の舞台をいつでも撮影できるのが京都御所。いままでは春と秋の特別公開日しか拝観できませんでしたが一昨年から月曜日と年末年始以外はいつでも入ることができるようになりました。申し込みは不要で無料です。
焦点距離:44mm相当*
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/250
プログラムAE
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京都御所でばったり出会った雲。アートフィルターのドラマチックトーンで雲の形状を強調してみました。いろいろなアートフィルターを楽しめるのもOM-Dの魅力ですね。
焦点距離:28mm相当*
絞り値:F11
シャッター速度:1/750
露出補正:0.0EV
夏
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新緑の清水寺三重塔。快晴の青空と白い雲は偏向(PL)フィルターで強調しましょう。葉の裏側も明るくなるのでいつもこのフィルターをカメラバックに入れておくこと。
焦点距離:28mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/350
露出補正:0.0EV
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銀閣寺庭園。多くの観光客で混雑していますが手持ちなら撮影が楽々。しかしこのカットはあまりにも絵葉書的で面白さがありませんね。
焦点距離:28mm相当*
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/60
絞り優先AE
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境内の裏山展望台から銀閣を望むとこのような姿を撮影できます。葉を前ボケにして取り入れると奥行きが表現できます。
焦点距離:300mm相当*
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/250
露出補正:-1.0EV
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砂を波形に盛り上げた銀沙灘(ぎんしゃだん)と中央遠方に見えるのは円錐型の向月台(こうげつだい)。これも良く見る構図ですね。
焦点距離:28mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/1000
絞り優先AE
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そこで向月台に近づいて下方を切り取って撮影しました。見慣れた写真になるのを避け、自分なりの見せ方を工夫しましょう。
焦点距離:94mm相当*
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/750
絞り優先AE
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祇園に隣接する建仁寺は臨済宗建仁寺派の大本山。広い境内は花街のそばとは思えないほどの静寂に包まれています。撮影に何かと制限が多い寺院の中でこのお寺は撮影が自由なので私のお気に入りです。禅寺特有の花頭窓(かとうまど)から庭園を覗きました。
焦点距離:28mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/500
露出補正:-0.5EV
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同じく建仁寺の庭園ですが静かに観賞している女性をポイントに取り入れました。OM-Dはシャッター音が静かなので観賞者の邪魔になりません。
焦点距離:36mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/1500
絞り優先AE
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有名な龍安寺石庭。東側部分を一般鑑賞者の目線で立ったまま撮影。
焦点距離:30mm相当*
絞り値:F11
シャッター速度:1/20
絞り優先AE
レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
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今度は方丈にカメラを置いてローアングルで撮影。石組みを床と後方の土塀ではさんでみました
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こんな格好でカメラを構えています。バリアングルの液晶のおかげでまだこの姿勢ですがファインダーをのぞくとこの姿勢がどうなるか想像してください。私の撮影ぶりを取材した雑誌社のカメラマンの傑作です(笑)。
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南禅寺山門の列柱を望遠で重なるようにして撮影。礎石が並ぶようローアングルからねらいました。
焦点距離:140mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/180
プログラムAE
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すると、そこへカラフルな衣装の観光客が・・。背景の緑とよく合う色の服なのでラッキー!
焦点距離:112mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/125
プログラムAE
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京都三大祭りのひとつである葵祭の当日、上賀茂神社では葵をデザインした幟(のぼり)が初夏の陽光を受けてたなびいています。お祭りでなければ写せないカットです。
焦点距離:240mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/3000
絞り優先AE
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葵祭はわが国の祭りのうち最も優雅で古趣に富んだ祭として知られています。行列の出発前に京都御所で撮影した風流傘。どんなお祭りでも出発前なら比較的自由なアングルで撮影することができますので早い目に出かけるようにしましょう。
焦点距離:180mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/750
絞り優先AE
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さぁ御所を出発です。こうなると前の観光客で行列が見えません。脚立があればいいのですが荷物ですよねぇ~。
焦点距離:300mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/1000
絞り優先AE
そのような時には両手を挙げてバリアングルで撮影すれば脚立に近い高さの撮影ができます。
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普茶料理をいただける黄檗宗の禅寺・閑臥庵(かんがあん)の参道。京都にはこのように参道を灯りで彩るところが多いので食事に行くときもかならずOM-Dを持参しましょう。真っ暗になる前なら石畳が空の青色を反映してさらに情緒が深まります。
焦点距離:28mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/1.5秒
露出補正:-1.0EV
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雨の清水坂。さすが観光京都でしょう?世界中の傘が集結しました。これだけ混雑すれば写真撮影どころではありませんよね。この特集ではできるだけ空いているところを案内しています。
焦点距離:90mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/250
絞り優先AE
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菖蒲の雨粒が大きく膨らんで今にも落ちそうになっています。12-100mmレンズを100ミリにして絞り開放のF4.0で近づけばこのようなマクロ撮影ができます。背景の美しいボケを見るとこのレンズがカメラ雑誌で絶賛を浴びている理由がわかりますね。花好きのカメラマンに人気の勧修寺(かじゅうじ)はいつもそれほど混雑していないのでぜひ!
焦点距離:200mm相当*
絞り値:F4.0
シャッター速度:1/1000
露出補正:-0.5EV
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私がOM-Dを好んで使用する理由の一つに多重露光のやりやすさがあります。一回目の露光の後、液晶画面にその残像が残るので二回目の露光が大変やりやすいのです。紫陽花を写した後、残像を見ながらスローシャッターでカメラをわざとブラしますとこのように「風」を感じる作品ができます。場所は霊山観音(りょうぜんかんのん)。高台寺のすぐ隣にある静かな寺院で美しい花と心を癒す観音様がやさしく迎えてくれます。
焦点距離:40mm相当*
絞り値:F9.5
シャッター速度:1/30
露出補正:0.0EV
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梅雨が明ける頃にいよいよ祇園祭の開幕です。2014年から前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)に分かれましたが、宵山を写すにはそれぞれの巡行の3~4日前に行けば比較的すいています。特に後祭は夜店が出ないので撮影が楽です。この写真も多重露光で、ピントを合わせたものとボカしたものと2回シャッターを切ってソフト効果を出しています。
焦点距離:90mm相当*
絞り値:F2.0
シャッター速度:1/60
露出補正:0.0EV
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これは前祭の巡行ですがビル街の四条通や御池通よりも狭い新町通りがお勧め。ご覧のような京町家が多いので昔の風情を写すことができます。お祭りは12-100mmレンズのような高倍率ズームなら人々の表情のアップから全景までをレンズ一本で撮影できるので便利です。
焦点距離:24mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/125
絞り優先AE
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昔ながらの嵯峨野のお盆です。愛宕古道街道灯し(あたごふるみちかいどうとぼし)として毎年8月23日~25日の夜に行われますが年によって少し日程が変わりますので確認する必要があります。中でも化野(あだしの)念仏寺の千灯供養が有名ですが混雑を避けたい人はこのような野仏をねらいましょう。あいにくの雨でしたが路面に灯りが映り情緒が増しました。
焦点距離:90mm相当*
絞り値:F1.8
シャッター速度:1/90
露出補正:+0.5EV
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宇治の興聖寺も観光客が少ないので好きなお寺です。暗いお堂の中で一本のロウソクが付近を照らしていました。このような状況でも手持ちで写せるのがうれしい限りです。主人公のロウソクだけでなくお堂の窓をわき役に取り入れるのをお忘れなく。
焦点距離:90mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/125
露出補正:-1.5EV
秋
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京都の代表的な秋祭りとして知られる「ずいき祭」です。千年の都、京都では毎日のようにお祭りがあり、それぞれに歴史があります。それを写すのも京都の楽しみのひとつでしょう。笛の奏者にピントを合わせ、神輿をボカしていますが全部にピントが合っているよりも奥行きを感じることができます。
焦点距離:160mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/350
絞り優先AE
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紅葉で有名な東福寺通天橋で出会った僧が深々とお辞儀をしています。まさに京都ならではの光景です。
焦点距離:90mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/180
絞り優先AE
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その東福寺の見事な紅葉。画面のどれぐらいまで紅葉を取り入れるかが重要なポイントとなります。
焦点距離:270mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/350
露出補正:-0.5EV
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ライトアップされた知恩院の山門を17mm F1.2レンズで撮影。もちろん手持ちです。さすがF1.2の開放絞りで写すと早いシャッターを切ることができ、ISO感度も1600で写せたのでノイズが少ない綺麗な画像です。秋だけのライトアップでしたが、紅葉を入れなくてもこのような普段見ることができない夜景を撮ることができます。
焦点距離:34mm相当*
絞り値:F1.2
シャッター速度:1/60
露出補正:-0.5EV
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永観堂のライトアップです。F4.0で撮ると背景の木々の形がみえますね。
焦点距離:34mm相当*
絞り値:F4.0
シャッター速度:1/4
絞り優先AE
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同じところからF1.2の開放で撮影しました。手持ちなので少し構図が異なっていますが背景のボケが見事です。このレンズの真価はやはり絞り開放で撮るべきなのでしょう。
焦点距離:34mm相当*
絞り値:F1.2
シャッター速度:1/45
露出補正:+0.5EV
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永観堂では土塀までライトアップするので何か舞台照明を見ているようです。これは12-40mm F2.8レンズを使用しました。12-100mm F4.0レンズと比べるとひとまわりコンパクトで開放値が明るいのはいいですね。望遠をあまり使わない人には携行を考えれば便利なレンズといえます。
焦点距離:24mm相当*
絞り値:F2.8
シャッター速度:1/60
露出補正:0.0EV
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嵯峨二尊院のライトアップです。紅葉の一枚にピントを合わせて本堂の五色幕をボカしています。12-100mm F4.0レンズでも夜間にこれだけの写真が写せるとは驚きですね。
焦点距離:200mm相当*
絞り値:F4.0
シャッター速度:1/1000
露出補正:-0.5EV
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再び12-40mm F2.8レンズで東寺のライトアップへ出かけました。こうした全景を写す場合はこのレンズが高性能を発揮します。F4.0とF2.8の違いを感じた一枚です。
焦点距離:30mm相当*
絞り値:F2.8
シャッター速度:1/60
露出補正:-0.5EV
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同じ時に25mm F1.2レンズを絞り開放で撮影。17mm F1.2レンズよりも深度はさらに浅くなりますがその分ボケが強調されて一段とソフトムードに。
焦点距離:50mm相当*
絞り値:F1.2
シャッター速度:1/60
露出補正:-0.5EV
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ライトアップでの比較が続いたので今度は昼にテストしました。これは12-100mm F4.0レンズで絞り開放で撮影したもの。
焦点距離:76mm相当*
絞り値:F4.0
シャッター速度:1/500
露出補正:-1.5EV
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これは同じ距離から12-40mm F2.8レンズでやはり絞り開放で撮影したものです。F4.0とF2.8では後方の竹のボケがこれだけ異なります。それぞれのレンズに良さがあるので迷いますよね。
焦点距離:80mm相当*
絞り値:F2.8
シャッター速度:1/750
露出補正:-1.5EV
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12-100mm F4.0レンズの魅力をもう一つ。それはE-M1 Mark IIとの組み合わせで世界最強6.5段のブレ補正効果があるというもの。実際どれだけの効果があるのかを試してみました。なんと4秒で写したこの写真が全くブレていないのです!これならどんな夜景でも手持ちで写せそうですね。ISO感度を6400に上げればオーロラも手持ちで可能かも?
焦点距離:24mm相当*
絞り値:F6.7
シャッター速度:4秒
露出補正:+1.0EV
正月(冬)
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山門に掲揚された日章旗。しかも背景は初雪で真っ白です。これぞ日本のお正月ですよね。かつてお正月の三が日に連日雪が降った年がありました。家族とのお祝膳も食べずに飛び出すときに写真家になった悲哀を感じますが良い写真が撮れた時にはそのような苦労をすべて忘れてしまいます。岩倉の実相院で撮影しました。
焦点距離:62mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/90
プログラムAE
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祇園の老舗、中村楼の正月飾り。客に挨拶する着物の女性が立派な門松に挨拶をしているようで微笑ましいですね。
焦点距離:180mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/180
絞り優先AE
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これも祇園にある老舗料亭の幕飾り。これほどの幕飾りをする店は減りましたが花街ではまだまだ見ることができます。
焦点距離:32mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/90
絞り優先AE
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しかし京都の町家の正月飾りはこの根付き松です。神様が訪れて、幸せが根付くようにという願掛けで、根を切ることはありません。しかし地味なので作品にするには少し難しいかも。
焦点距離:98mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/180
絞り優先AE
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正月飾りといえば餅花(もちばな)も京都の各所で見ることができます。最近はピンポン玉のような真ん丸い紅白の飾りが増えていますが、本来は写真のように白い餅と食紅などで赤く染めた餅を小さく切って柳などの木の枝につけて飾るものです。八坂神社そばの二軒茶屋で撮影しました。
焦点距離:180mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/180
絞り優先AE
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もし京都に滞在中に雪が降ったらそれはラッキーというほかありません。今までの経験では雪は1月から2月上旬に集中しますが12月下旬に降る時もあります。そして洛南や洛中はめったに降らず、気温が低い洛北や山沿いの洛東では年に2~3回は雪景色を見ることができます。大原や鞍馬・貴船、高雄や上賀茂神社などです。写真は圓光寺ですが、少ない雪の時には石庭を撮れば砂の掃き目に雪が溜まって美しい雪模様を写せます。
焦点距離:28mm相当*
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/90
絞り優先AE
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雪の詩仙堂庭園。さすがに降雪の日は人が少なく撮影は楽なのですが明るい雪に対して室内が暗いのでカメラに付属のフラッシュを持参しましょう。小さいフラッシュでも白い障子などには結構効果がありますよ。
焦点距離:28mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/320
マニュアル
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今宮神社境内の参道。雨上がりの石畳が渋く光っています。観光客や花が少ない冬にこのようなカタチを撮るようにしています。それにはモノクロームがよく合うでしょ?OM-Dなら液晶画面で確認しながら写せるので狙い通りに写すことができます。
焦点距離:44mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/250
絞り優先AE
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宇治の万福寺大雄宝殿の内部。窓と木像がシルエットになり、まさにモノトーンの世界です。色のない冬は色のない写真を撮るべきだよ、と木像が教えてくれているようです。
焦点距離:240mm相当*
絞り値:F5.6
シャッター速度:1/250
絞り優先AE
まとめ
以上OM SYSTEMのOM-D E-M1シリーズにいろいろなレンズをつけて見てきましたが各レンズにはそれぞれの良さがあります。要はどのような被写体を撮りたいのかで1~2本のレンズに絞って出かけましょう。
日本には四季があるおかげでこれだけ変化に富んだ写真が写せます。特に長く都があった京都には他の都市にはない独特の風情がありますのでそれをOM-Dで切り取って傑作をものにしてください。
*35mm判換算焦点距離
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北奥 耕一郎
京都市生まれ。立命館大学卒業後、北米大陸を横断取材。以降現在までに54ヶ国を歴訪。2004年、文化庁芸術家特別研修員として渡米。NHK文化センターやOM SYSTEM ズイコークラブなどで写真講師を務める。「京都」に関したフォトエッセイを新聞や雑誌に連載中。個展 16回開催(オリンパスギャラリー他)。写真集に「京艶」(淡交社刊)、「風の雅」(京都新聞社刊)など。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会友。