Photo Recipe(フォトレシピ)
OM SYSTEMで撮る富山の風景写真 ~夏編~
2022年7月公開
記事内で使用したカメラと
レンズをご紹介
はじめに
いよいよ夏本番を迎えます。
みなさんはこの夏どんな写真を撮りますか?
今回は富山の風景とともに、夏らしい風景を撮影するポイントを紹介していきます。
雨晴海岸
この写真は富山県高岡市の雨晴海岸で撮影しました。
空気の澄んだ冬の晴れた日には、富山湾越しに3,000m級の山々が見られる富山の有名な観光スポットです。夏は立山連峰が霞んで見えない日が多いので、今回は、青い海と青い空と白い雲、海のすぐそばを走るJR氷見線のレトロな朱色の電車をメインに撮影しました。
1枚目は、海岸沿いの歩道から能登半島方向を撮影したものです。入道雲と海、電車のバランスに注意しながら撮影しました。空の青をより綺麗に撮影するには、PLフィルターを使用しましょう。反射光をコントロールでき、夏らしい鮮やかな色が表現できます。
2枚目は、近くの道の駅の展望デッキから立山連峰方向を撮影したものです。あいにく立山連峰はほとんど見えませんが、空と海の青色に、朱色の電車をポツンと配置して目を引くように撮影しました。
称名滝とハンノキ滝
日本一の落差を誇る称名滝(左)と、雪解けの季節や大雨後など、水量の多い時にだけ現れる幻のハンノキ滝(右)です。
梅雨前の晴天の日に撮影した写真で、称名滝とハンノキ滝の滝壺に虹と雪のアーチが架かっています。普段から、撮影したいイメージにあわせて、撮影時期や時間帯を選ぶことが多いのですが、この写真も、新緑と残雪と虹が撮影できる時期と時間帯を選んで撮影に向かいました。富山市内の気温が30度を超える暑い日でしたが、称名滝では6月初旬頃までは、滝壺付近に雪が残り、初夏~夏の晴れた日の午後には虹が出現します。
虹を撮影する際にも、PLフィルターを使用することでくっきり写すことができます。フィルターを回転させ、虹が最も綺麗な位置を決めて撮影しましょう。滝の撮影では、NDフィルターを使用してスローシャッターで水の流れを撮影することが多いですが、水量が多い滝の迫力を表現するため、ここではNDフィルターは使用していません。
1枚目は、滝壺にダブルレインボーがかかったところを滝の正面から撮影しました。2枚目はフィッシュアイを使用し、橋上から滝を眺める人の影も入れて撮影しました。
飛行機と向日葵畑
夏の象徴、向日葵畑で撮影した写真です。
この写真は富山空港近くの向日葵畑で撮影したものです。飛行機を主役にしたかったので、向日葵は形がわかる程度にぼかして撮影しました。
動く被写体を止めて写すには、シャッタースピードに注意が必要です。MモードかSモードで、シャッタースピードを基準にしてF値やISOを設定するのがおすすめです。飛行機の場合はシャッタースピードを1/1000より速く設定すると、手ブレや被写体ブレを起こさずに撮影できます。
雨の向日葵畑
こちらは雨の向日葵畑で撮影したものです。到着時は晴天だったのですが、突然ゲリラ豪雨に…。雨風に負けずに力強く咲く向日葵が印象的だったので、その様子を切り取ってみました。
雨の日は、シャッタースピードを変えて撮影してみると面白い写真が撮影できます。シャッタースピードを速く設定すると、雨は1枚目の写真のような点状となり、シャッタースピードを遅く設定すると、雨は2枚目の写真のように線状になります。このような暗めの背景を選ぶと、雨をしっかり捉えることができます。
同じ向日葵畑でも、天候や時間帯を変えて撮影すると、雰囲気の異なる写真に仕上がります。
風鈴トンネル
夏の暑さが和らぐようなこの涼しげな風鈴トンネルは、富山県射水市の櫛田神社です。
主役となる風鈴を1つ決め、その風鈴に視線が向けられるように撮影しました。望遠レンズで絞りは開放に設定し、主役以外は柔らかくぼかしています。必要のない情報はなるべく排除したかったので、トンネルの木の枠はできるだけ見えないように構図を工夫しました。
木の建築
これは富山県立山町の自然豊かな場所にある複合スペースです。建築やデザインが好きな方にはたまらない場所です。
この日は1人でここを訪れたのですが、人が入ったほうが、スケール感が伝わりやすいので、OI.Shareアプリでカメラとスマートフォンを接続し、リモコン機能を使用してセルフ撮影を行いました。
夏らしさを表現するために、左手に麦わら帽子を持ち、右手に持ったスマートフォンで確認しながらシャッターを切っています。カメラは低い位置に設置した三脚に固定し、屋根の木の建築を活かした構図にしました。
夕日と新幹線
この写真は、向かってくる北陸新幹線や在来線と、沈む直前の夕日の位置や時間帯が重なる日を狙って撮影しています。
湿度の高い夏は大気中の水蒸気が多いので、美しい夕焼けが生じやすい季節です。また、日の入りの時間が遅いので、普段はなかなか夕日や夕焼けを見られない仕事帰りにも撮影チャンスがあります。
1枚目は、新幹線のトンネル付近から、夕日と新幹線が上下に並ぶ日に撮影しました。新幹線を撮影する際にも、被写体ブレを起こさないようにシャッタースピードに注意しましょう。連写で撮影すると、タイミングを逃さずに撮影できます。
2枚目は、新幹線と在来線が同時に向かってくるタイミングで撮影しました。列車の時間が少しずれると撮影できない風景で、何度も通ってやっと撮影することができました。
この写真のような日の入り前後の時間帯や、日の出前後の時間帯は、空と地上の風景に明暗差が生じやすくなります。そのため、地上に露出をあわせると空が露出オーバーになり、空に露出をあわせると地上が黒つぶれしてしまうことがあります。RAWで撮影すれば、現像時にある程度は調整できますが、撮影時にハーフNDフィルターを使用すると明暗差を軽減することができます。
花火大会
コロナ禍で中止となっていた花火大会も、今年は少しずつ復活してきています。
花火は長秒での撮影になるので、三脚やレリーズを用意しましょう。花火大会のはじまり頃に打ち上がる花火でピントをあわせて固定し、置きピンで撮影するとよいです。長秒時ノイズ低減をONにすると、ノイズ除去中にシャッターが切れなくなるため、花火撮影時はOFFに設定します。ライブバルブやライブコンポジットを使用すると、仕上がりのイメージをモニターで確認しながら撮影できるのでおすすめです。欲張って長時間シャッターを開けすぎると、花火が露出オーバーになり、白飛びの原因になるので注意しましょう。
1枚目は、富山市の環水公園で行われた花火の様子です。運河の水面に映るリフレクションを狙い、この構図に設定しました。
2枚目は、同じ構図で撮影した4枚の写真をあとから比較明合成しています。1枚撮りの写真より、花火のボリュームがアップして豪華な雰囲気になりました。
3枚目は、富山市内の神社から、近くで打ち上がる花火を撮影し、比較明合成を行いました。花火を鑑賞する人が入ると、臨場感やストーリー性が感じられる写真となります。
まとめ
いかがでしたか?
これからの夏風景の撮影に、少しでも参考になれば嬉しいです。熱中症には気を付けて、夏の撮影を楽しみましょう!