Photo Recipe(フォトレシピ)
OM SYSTEMで撮る京都の街並み~春編~
2022年4月公開
@tera_2002さん使用のカメラと
レンズをご紹介
京都の風景とOM SYSTEM
今回の被写体は、京都の風景です。京都を撮るにあたってカメラ選びで重要なポイントがあります。それは「三脚(一脚)NG」「フラッシュNG」への対応です。京都の建物や庭園の多くが文化財で、文化財保護の観点から三脚・フラッシュが多くの場所で使えません。その時に大活躍するのが「手振れ補正」です。OM SYSTEMには強力な手振れ補正機能があり、私もOM SYSTEMを選んだ大きな理由になっています。OM SYSTEMで京都のカッコいい写真をバシバシ撮りに行きましょう。
Instagramでの写真投稿のポイント
今回のシリーズでは、京都や関西の撮影スポットやInstagramでの写真投稿のポイントをご紹介します。
Instagram の利用方法・目的は人それぞれだと思います。好きな食べ物を探したい、かっこいいモノ・かわいいモノが観たい、綺麗な風景で癒されたい、などなど。今回はInstagramで「いいね」や「フォロワー」を増やしたいといった方向けに参考となる写真投稿のポイントをご紹介します。
- 「テーマを明確に」
先ず始めに大事なのがギャラリーのテーマを明確にする事です。あれこれ色んな写真を投稿すると見る側からすると何を情報発信してくれる人か分からないです。「この人はこういう写真」「この人はこういう情報」と分かりやすくなっていれば、好みに応じて選んでくれるようになります。統一感のあるギャラリーを目指しましょう。 - 「素敵な被写体」
映える写真、エモい写真を撮るには、写真を撮る対象、被写体が重要です。「美味しそう」「カッコいい」「美しい」など、テーマに応じた素敵な被写体を探しましょう。 - 「写真はカッコよく」
Instagramは写真や動画が中心なので、何より写真や映像がカッコよくないと見て貰えません。ただカッコいい写真と一言で言ってもどうやったらカッコいい写真が撮れるか、なかなか難しい問題です。構図、カメラ設定、撮った後のレタッチなど、カッコいい写真にするポイントは沢山あります。ここではそれらのポイントをご紹介します。 - 「縦撮りで写真を大きく」
Instagramは基本スマホで見ます。スマホの画面は縦です。「縦撮り」で撮った写真は画面に大きく表示され、見る人にインパクトを与えやすいです。よって私はずっと縦撮りです。縦撮りで如何にカッコいい写真を撮るかをご紹介したいと思います。(今回ご紹介する写真は全て縦撮り写真です)
三年坂(産寧坂)
京都清水寺に至る三年坂(産寧坂)です。産寧坂の名前の言われは、清水寺は安産祈願の寺院でもあり妊婦が清水寺をお参りする際、この石段で転ばないよう慎重に安産を願いながら登ったからだそうです。その三年坂がある東山界隈では毎年3月に京都東山花灯路が開かれ、明かりのついた灯籠が東山の街並みを照らします。この催しも今年2022年をもって惜しまれながら幕を閉じる事になりました。
ここは無人で撮影したいところなので、夜の撮影ではOM SYSTEMの強力な手振れ補正機能を使い三脚なしで機動的に動き回って無人タイミングを狙って撮影しています。
電灯の明かりがややオレンジ色が強いので、レタッチで色温度を調整し、京都の街並みらしい落ち着いた色合いに仕上げています。石畳や瓦の質感もしっかり見せたいので、テクスチャや明瞭度を上げて質感を強調して仕上げています。
清水寺
清水寺は四季通じて様々な景色を見せてくれます。特に春・夏・秋には夜間特別拝観が行われます。春は桜のライトアップが開催されます。今回は夕焼けとブルーアワーを狙って、美しい桜に囲まれた清水の舞台を撮影しました。撮影は清水の舞台が一望できる奥の院から行っています。大きな清水の舞台の全貌を写して迫力ある構図を狙う為、広角7mm-14mmProレンズを使いました。7mmまで目いっぱい画角を広げて主役を中心に景色が放射線状に広がるよう撮りました。夕焼けは沈む夕日を主役に、ブルーアワーは清水の舞台を主役に桜に囲まれる姿を撮りました。
レタッチではハイライトを落とし、シャドーを上げて全体的な明暗を調整しています。この時間帯は空の表現が重要なので空をマスクで選択し、より雲がダイナミックな雰囲気になるよう明暗やテクスチャを強めにして仕上げています。
背割堤
京都府八幡市にある背割堤です。京都を流れる桂川と木津川が合流し、大阪湾に注ぐ淀川となる場所にある河川敷公園です。堤防沿いに1.4kmにも渡って見上げるような大きな桜並木が続きます。桜並木の下を沢山の人がお花見を楽しみながらお散歩されている景色に春を感じていつも心癒されます。
ここはズームレンズで圧縮効果を狙って撮影します。今回は12mm-100mm IS-Proレンズを使用しました。1.4kmの桜並木を望遠で撮影しギュッと距離を縮めて人々が楽しそうに桜の下に集う姿を一つの写真に収める為、ズームを効かせて、絞りはF4かF8にして手前から奥までピントが合うよう撮影しています。本当の一番手前は芝生を少し入れて手前ボケを演出し、より奥行きと臨場感のある風景になるよう撮影しています。
祇園白川
祇園を流れる白川。この周辺は祇園白川と呼ばれ料亭などが並ぶ街並みに、春には白川沿いの通りに沢山の桜が咲きます。京都らしい街並みに咲く桜はどこか艶やかな雰囲気を感じます。
京町家は、瓦屋根、行燈、漆黒の壁、犬矢来の竹など、町家ならでは落ち着いた色合いが美しいです。光と影、明と暗を上手く写真に捉えたいです。露出はアンダー気味で撮影し、レタッチで明暗を調整します。明るい桜のハイライトと落ち着いた京町家のシャドーを調整し、日本的な落ち着いた雰囲気に全体をまとめています。
十輪寺(なりひら桜)
京都市の西、洛西にある十輪寺。なりひら寺と呼ばれています。平安時代の歌人「在原業平(ありわらなりひら)」が晩年過ごしたとされる寺院です。十輪寺には四方を建物に囲まれた「三方普感の庭」があり、庭園の中央には樹齢二百年の見事な枝垂れ桜「なりひら桜」があります。なりひら桜を中心に春の美しい景色を撮影しました。
ここでは、なりひら桜の存在感が際立つよう、なりひら桜を主役(中央)にわき役が構図の四方の隅まで構成されるよう撮影しました。一枚目は本堂の屋根の張り出しが画面の右隅に行くよう撮影し、なりひら桜が屋根より高い事を強調しています。二枚目は広角の7mm-14mmProレンズで庭園が画角いっぱいに入るようにし屋根のひさしを上にいれて庭園全体に枝垂れ桜の枝が広がっている事を表現しています。三枚目は十輪寺の渋い瓦屋根が画面いっぱいになるようにし、なりひら桜がモノクロの瓦屋根に生けられているような構図にしています。
伏見港
京都の洛南にある伏見。伏見と言えば世界遺産の伏見稲荷大社が有名ですが、伏見には酒どころという顔もあります。伏見は豊臣秀吉により河川港が築かれ、大阪や京都の中心部に荷物を運搬する三十石船や十石舟が生まれました。またこの辺りは水が良く河川港と相まって酒造りが盛んになり、河川沿いには沢山の酒蔵が並びます。今も河川港には観光船が残り、春には両側に酒蔵が立ち並ぶ河川を満開の桜の中を観光船でお花見が楽しめます。
伏見港は、河川沿いの酒蔵、満開の桜、十石船など、美しい日本の景色が撮影できます。行き交う船を撮影する場合は、ズームレンズで河川奥に向かって奥行きのある写真を撮るのが定番です。手前の桜や草花で手前ボケを演出するとより奥行き感が出ます。夕方に日差しが低くなると水面に夕陽が映り、桜の花びらが日差しで透けて見えます。その時間帯に逆光を狙って撮影するとストーリー性のあるエモい写真になります。
伊根
京都の海の街並み、日本海の丹後半島にある伊根町です。伊根には湾を取り囲むように舟屋があります。舟屋は昔船が木造であったことから、漁のあと船を乾燥させたり、雨風や虫から守る必要があり、直接海から船を収納するのに使われたそうです。今も地元の方に愛され生活と共に美しい街並みが保全されています。
伊根町の海蔵寺では桜の季節に桜のライトアップが行われます。舟屋の上から覗き込む夜桜が水面に映りとても美しい光景を見ることが出来ます。
伊根はとても静かな海辺の町なので夜になると舟屋が真っ暗になります。夕方から日没・ブルーアワーに掛けて、風情ある舟屋とライトアップされた満開の桜が一緒に写るわずかな時間帯です。光と闇が交錯する一瞬の光景を撮影しました。