水没の実体験談
ここでは、実際にあった体験談を紹介しています。 メンテナンスに手を抜くとこんなことになるかもしれません。 |
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■水中撮影は楽しいけど水没は怖い(東京都デザイン会社Aさん談) 私は、3年前にライセンスを取得し、沖縄だけでも50本は潜っています。もともと水中写真を撮りたくてダイビングを始め、水中撮影機材は必ずダイビングに携行していました。しかし、事件は上手く撮れるようになった頃に起こりました。 その日は、天候も悪く横風の強い日でした。 前日、おつきあいで飲んだお酒が残り気味で、いうまでもなく体調は最悪です! よせばいいのに、せっかく来た沖縄なので3ダイブ目にトライすることになりました。 エントリー前に、船上で予備の電池との交換作業を開始します。 膝の上にタオルを乗せて、防水プロテクタのフタを開けます。その途端、目が回りだし気持ち悪くなり、とても下を向いてOリングのメンテナンス作業をするどころではありません。 このまま続ければ、間違いなくお昼の弁当は魚の餌に・・・ 必死の思いでデジカメを取り出し、遠くの風景を見ながら電池交換を完了させ、防水プロテクタにデジカメを戻します。せめてグリスだけでもと思い、Oリングを外さずそのままグリスを上塗りしてバックルを締め、電池交換作業を終了します。お決まりの水没検査も10秒ぐらい水槽に入れて行い、水の浸入がないかチェックしました。 3度目のエントリーです。バディとともに美しい海の中へ入ります。私は先に海底にたどり着き、ゆっくり水面を見上げながらデジカメの電源を入れようとしたその時です。 なッ、なんと水滴が浸入しているではありませんか、あと着底まで5メートルのバディに急いで近寄り、ハンドシグナルもそこそこに浮上の合図をします。 大事なデジカメが水に浸かる前に、何とか浮上しようと試みますが、自然の力の前ではそんな甘い考えは通用しません。 水面に近づくにつれ、海水は大きな滴となり、浮上時にはカメラの1/3はつかってしまいました。 これが水没か・・・と思うとともに、情けなさと、高価なデジカメ(愛機)をダメにしてしまった自責の念が私を襲ったことは言うまでもありません。 でも 今思えば、デジカメの水没を防ごうと、あわてて浮上し、バディを置き去りにしたことや、緊急時の対応をちゃんとしなかったことにもかかわらず、命に別状がなかったことは不幸中の幸いです。 現在も懲りずに元気に水中写真を楽しんでいますが、体調の悪い時はダイビングを止めることにし、電池交換時はOリングのメンテンナスに人一倍、気を使っています。 ■Aさんの犯したミスのまとめ 1. 前日、お酒を飲んで万全な体調でダイビングにのぞめなかった。 2. Oリングのメンテナンスをちゃんと行わなかった。 3. 正しい方法で水没検査を行わなかった。 4. 水没が発覚したとき、1人で行動しバディシステムを遵守できなかった。 5. 安全停止するかどうか判断もせず浮上してしまった。 ほんの少しの時間でもこれだけのミスと危険行為があります。 デジカメはまた購入することはできますが、命は買えません。 くれぐれも安全で楽しいダイビングを心がけてください。 |
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安全に関するご注意 正しく安全にお使いいただくため、ご使用の前に必ず『取扱説明書』をよくお読みください。 |