イルミネーションの撮り方 上級編
標準装備にちょっとプラスするだけで、今まで撮れなかった画像も、ものにすることができます。 先ほどのシャッタースピードをさらに遅い設定にすると、人影もにじみ、通行する車もライトが残るだけになります。 ただこの設定では、長い時間のシャッター速度(長時間露光)に設定しなければならないので三脚が必要になります。

- 人が止まって写ります
- 絞り値:1.8
- シャッター速度:1/80秒
- M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8

- じっと止まっている人は写りますが、人も車もにじんでいます。
- 絞り値:10
- シャッター速度:8秒
- M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8

- 観覧車のイルミネーションもつながって、扇のように写りました
- 絞り値:20
- シャッター速度:20秒
- M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
三脚を使う場合は、揺れないようにケーブルレリーズや、リモコンでシャッターを切るようにしましょう。Wi-Fi内蔵したオリンパス製カメラならスマートフォンとアプリ「OI.Share」を使って、シャッターを切ったり、セルフタイマーをセットできるので手ブレ防止には最適です。人混みや寒い時期は軽装備で手軽に撮影できることがポイントです。
さらに長い時間シャッターを開けておくと、車のライトの軌跡が残る写真も撮れます。このようなシーンの撮影は、従来はシャッターを開けっぱなしにし、大体の感で時間を決めるバルブ撮影が主流で、撮影後にしか結果がわからないのが難点でした。
最近のデジタルカメラにはモニターで画像を確認しながらシャッター開閉ができるライブバルブ機能や、明るく変化した部分のみが合成されるコンポジット撮影と言われる機能が搭載されています。
次の作例はシャッター速度5秒間の写真を36枚合成して1枚にする設定で3分間撮影しました。
もちろんカメラが簡単に合成してくれますが、その撮影経過をカメラモニターでチェックできるので安心です。

- ライブコンポジットで車のライトの軌跡を撮影
- 絞り値:11
- シャッター速度:5秒
- M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
いかがでしょうか? 一手間かけて、三脚を使えば、人の目には見えないような表現が出来ます。ぜひトライしてみてください。
イルミネーションの撮り方 番外編
玉ボケを撮る
背景に写る玉ボケといわれる丸いボケは、ライトのひとつひとつが丸くピントがボケたものですが、大口径といわれる明るいレンズで作りやすくなります。

- オリンパス製レンズ 45mm F1.8で撮影
背景のライトが丸くボケました - 絞り値:2.2
- シャッター速度:1/6秒
- M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
薄暮の頃に撮る
イルミネーションを撮るのは真っ暗になってからと思われがちですが、日が沈んだ頃、まだ空に少し明るさの残る薄暮の頃に撮ると、イルミネーションと街並みが調和し柔らかなコントラストになります

- 絞り:6.3
- シャッター速度:1/3秒
- M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
あえてピントをはずす
ピントを手動にして、あえてピントをずらすとたくさんの玉ボケが現れます。所謂ピンボケ写真ですが、背景や多重露光などに使用したりファンタジックな感を演出することができます。

- ピントが合っています
- 絞り値:1.8
- シャッター速度:1/10秒
- M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8

- 少しピントを外す
- 絞り値:1.8
- シャッター速度:1/13秒
- M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8

- もっとピントを外す
- 絞り値:1.8
- シャッター速度:1/40秒
- M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8