構図
昇りの付いている単発花火ならば、縦位置で地上から打ち上がる昇り火と上空の花火全体を撮れば良いでしょう。昇り火が無い単発花火ならば、上空で開花する花火をアップで大きく撮っても良いでしょう。ワイドスターマインは、横位置で撮るのが一般的でしょう。画面いっぱいに捉える方が迫力ある写真になります。夜景と一緒に撮る構図も良いでしょう。どんな写真が撮りたいのか事前にイメージを作る事も大切です。
※打上場所から上空に向う光跡を「昇り」「朴(ぼく)」等と呼びます。「昇り」には「小花」「分砲(ぶんぽう)」「曲導(きょくどう)」等々の多様な現象もあります。

- 絞り値:F8
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(26コマ撮影)
- 焦点距離:12mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3300
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OM-D E-M5 Mark II
- M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
芯入紅牡丹花火を「昇り」を入れて縦の構図で撮影しました。

- 絞り値:F6.3
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(17コマ撮影)
- 焦点距離:26mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3300
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OLYMPUS PEN-F
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
上空で開花する三重芯尺玉単発花火をアップで撮影しました。

- 絞り値:F9
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(38コマ撮影)
- 焦点距離:8mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3750
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OLYMPUS PEN-F
- M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
幅2km以上にも広がるワイドスターマインを横の構図で撮影しました。
ホワイトバランス(WB)は?
2つのWBを使い分けられるとベストです。青、紅、ピンク、パープル、エメラルドグリーン等々の色鮮やかな花火は、色温度設定3300kが良いです。錦冠菊(にしきかむろぎく)花火や和火(わび)花火等々は色温度設定4400k~4600kが良いでしょう。初めて花火を撮る場合、花火の色に合わせてWBを変えるのは至難の業です。そこで色温度設定3800kで全ての花火を撮ってみてはいかがでしょうか?どちらの色も妥協した色になってしまいますがある程度は色が出ます。
※それぞれの設定をC1、C2などに登録しておくと切り換えがスムーズです。

- 絞り値:F8
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(25コマ撮影)
- 焦点距離:19mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3300k
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OLYMPUS PEN-F
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
色鮮やかな彩色千輪菊花火のスターマインをWB3300kで撮影しました。

- 絞り値:F11
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(14コマ撮影)
- 焦点距離:12mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:4400k
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OLYMPUS PEN-F
- M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
錦冠菊(にしきかむろぎく)のワイドスターマインをWB4400kで撮影しました。
- 絞り値:F8
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(43コマ撮影)
- 焦点距離:18mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3800k
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OLYMPUS PEN-F
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
錦色と色鮮やかな花火が次々打ち上がるスターマインをWB3800kで撮影しました。どちらの色もある程度は表現できています。
花火撮影でのミラーレスカメラの利点
ミラーレスカメラは構図の調整とAFでのピント合わせが液晶モニターを見ながら瞬時に行えます。花火の撮影では瞬時に判断し、構図や絞りやWBを微調整したり、ピントを合わせ直したりする事が多々あります。液晶モニターを見ながら全ての操作ができるミラーレスカメラは花火の撮影に適しているカメラだと感じています。一眼レフカメラでは、ファインダーを覗きながらピント合わせと構図を決めます。撮影するときにはファインダーから目を離します。フィルム時代から当たり前に行ってきた操作&動作ですが、ミラーレスカメラの快適さを知るとこの僅かなタイムロスが煩わしく感じてしまいます。一眼レフカメラでもライブビュー撮影が可能ですが、構造上AFのスピードや正確さはミラーレスには劣ると感じています。(2018年1月現在)
ライブコンポジットとは?
一般的に花火の撮影では、シャッタースピードをBULB(バルブ)に設定し撮影します。しかし、BULB撮影(露光中)は液晶モニターもファインダーも真っ暗になり何も見えなくなります。どんな写真が撮れているのかを想像しながら撮影を行います。露光が終わった後に、液晶モニターに写真が再生されイメージ通りに撮れたのか確認出来ます。このBULB撮影は、経験と勘に頼る部分が多く、初めてBULB撮影を経験する人にとっては戸惑うことでしょう。ところが、OLYMPUSが開発したライブコンポジットは、長秒撮影中も液晶モニターに画像が表示されます。花火が写っていく様子を確認しながら撮影できるのです。液晶モニターには、シームレスではなくパラパラ漫画のように花火が写っていきます。初めて花火を撮る人にとっては快適で、しかも花火撮影が楽しくなる機能だと思います。
ライブコンポジット撮影時のカメラ設定の参考例
露出モード:M(マニュアル)
ND8フィルター装着、ISO200、絞りF8、シャッタースピードをライブコンポジットに設定、ライブコンポジット撮影時設定(ライブコンポジット時のシャッタースピード)1/2、BULB/TIME輝度設定(液晶モニターの明るさ)-4
※絞りは花火の明るさに合わせて微調整しながら撮影を行いましょう。

- ライブコンポジットで撮影中の液晶モニターの様子
ライブコンポジットで花火を撮っている液晶モニターの様子です。前半ではAFで花火にピントを合わせている様子がご覧いただけます。後半には銀冠菊(ぎんかむろぎく)のワイドスターマインをレンズの前を遮光しながら撮影する様子もご覧いただけます。