花火を撮る時の露出
ISOは?
基本の感度で一番低いISO200にします。
※拡張機能でISOを低くするとダイナミックレンジが狭くなり、露出オーバーや露出アンダーの写真が増えます。
撮影モードは?
M(マニュアル露出)にします。
シャッタースピードは?
BULB、TIME、ライブBULB、ライブTIME、ライブコンポジットなどの長秒撮影(長時間露光)が行える設定にします。
絞りは?
ND8フィルターを装着し、まずは、F8で撮ります。撮影した写真を液晶モニターで再生し露出の確認をします。露出オーバーやアンダーになってしまった場合は、絞りを調整して撮り続けます。花火は暗い「和火(わび)花火」から明るい「銀冠菊(ぎんかむろぎく)花火」まであります。明暗差の激しい被写体なので、適正露出で撮るためには、それぞれの花火の明るさに合った絞りを選択する必要があります。しかし、初めて花火を撮影する人にとっては、絞りを調整しながら撮影するのは難しいので、まずはF8で全ての花火を撮ってみて、適正露出で撮れた写真を選べば良いでしょう。慣れてきたら絞りを調整しながら撮影してみましょう。カメラとレンズとNDフィルターの組み合わせによって、1絞り程度露出が変わることがあります。常に液晶モニターで写真を再生&確認しながら適正露出で撮れるように絞りを調整しましょう。

- 絞り値:F11
- シャッター速度(BULB):3.26秒
- 焦点距離:21mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3300
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OLYMPUS PEN-F
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
明るい柳花火をF11で撮影したため、露出オーバーになってしまいました。

- 絞り値:F9
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(32コマ撮影)
- 焦点距離:21mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3300
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OLYMPUS PEN-F
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
暗めの青い花火をF9で撮影したため、露出アンダーになってしまいました。青花火は暗いタイプが多いので、絞りF4かF5.6が良いでしょう。

- 絞り値:F9.5
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(83コマ撮影)
- 焦点距離:14mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3400
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OM-D E-M5 Mark II
- M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
上空の芯入菊花火尺玉も低空の打星扇打上(噴出花火)も適正露出で撮れています。
BULBでシャッターを押すタイミングは?
①単発打上花火の場合、花火が打ち上がる前にシャッターボタンを押し、上空で開花し、消えるまで待ってから撮り終わります。
- 絞り値:F16
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(15コマ撮影)
- 焦点距離:31mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3300
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OM-D E-M1 Mark II
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
白菊尺玉花火が打ち上がる前にシャッターボタンを押しているので「昇り」も写っています。
②スターマインの場合、小さい花火と大きな花火が上下左右にバランス良く開花したら撮り終わります。激しいスターマインの時には2秒ほどで撮れる時もありますし、ゆっくり上がるスターマインの時には60秒以上時間をかける時もあります。
- 絞り値:F9
- シャッター速度(ライブコンポジット):1/2秒(23コマ撮影)
- 焦点距離:10mm
- ISO感度:200
- ホワイトバランス:3300
- ND8フィルター装着・三脚・リモートケーブル使用
- OLYMPUS PEN-F
- M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
点滅彩色牡丹のスターマインをライブコンポジット1/2で約12秒間かけて撮影しました。
※一発ずつ打ち上げる打上方法を「単発打上」または「単打ち」と呼びます。テンポよく次々と打ち上げる方法を「早打ち」と言います。小さい花火から大きな花火まで短時間に沢山打ち上げる方法を「スターマイン」と言います。スターマインは花火の名称ではなく打上方法です。
ピント合わせは?
「置きピン撮影」がオススメです。大会の最初に上がる花火(スターマイン)にAFでピントを合わせます。ピントが合ったら直ぐにMFに切り替えます。その後はピント合わせは必要ありません。後はシャッターボタンを押し撮影をします。AFターゲットはオールターゲットが良いです。
花火にAFでピントを合わせる様子。AFターゲットはオールターゲットにしてAF-Sでピントを合わせます。花火の何処かにピントが合ったらMFに切り替えます。一度ピントを合わせたら、その後はピントを合わせる必要はありません。BULB撮影中(露光中)はファインダーも液晶モニターも暗くなります。
※ズームリングを動かして構図を変えた場合は、ピントがズレますのでもう一度AFでピント合わせを行いましょう。
※「置きピン撮影」とは、前もって何処かのポイントにピントを合わせておき、撮りたい被写体が現れたらシャッターを押す撮影テクニックです。車やバイク、電車、鳥など素早く動く被写体を撮影するときに使われる撮影テクニックです。
長秒時ノイズ低減は?
OFFにします。ONにすると撮影直後にノイズを除去する作業が始まり、数秒から数十秒間はシャッターボタンが押せなくなります。1分以内の撮影でしたらOFFで良いでしょう。ノイズは殆ど気になりません。
※事前に長秒撮影の試し撮りを行い、ノイズが気になるようでしたらONで撮りましょう。
手振れ補正は?
OFFにします。三脚を使用する撮影では花火以外でもOFFにします。ONにすると誤作動でかえってブレが発生することがあるのです。AUTOの設定ができるカメラもありますが、OFFにした方が安心です。