E-M1Xが持つ風景写真で効く三大神機能
3. 7.5段の手ブレ補正機能
ボディー単体で約7段分、12-100mmとの併用で約7.5段分。手ブレ補正機能もここまできたかと思わせる数字である。この数字は、ベースとなる通常撮影において絶大な効果を発揮するものだ。もはやこのコンビで手持ち撮影を行うとき、ブレが起きることのほうが難しいのではないかとさえ思える。実際、スローシャッターを試したところ、1/2秒で成功した。OM-D E-M1 Mark IIと12-100mmのコンビで1/4秒が成功したことを考えると、確かに1段分の向上が見られる。凄いことだ。素直に感動する。上手い方はもっと低速でもブレ度ゼロ画像を作ることができるかもしれないが、筆者の正直なところは1/2秒。しかし、これでも三脚なしで滝や渓流の撮影でスローシャッター効果を生かした表現が十分に挑めるのだから、申し分ないレベルにあると言えるだろう。
OM-D E-M1X/E-M1 Mark IIの使い分けが表現者を高みへ誘う
これまで述べてきたように、OM-D E-M1XとOM-D E-M1 Mark IIに上下関係はなく、共存関係にあると言ってよいだろう。つまり、使い分けである。プロである筆者のことで言えば、メインカメラはOM-D E-M1X。
三脚が使いにくいと想定される現場では、手持ち撮影が可能なOM-D E-M1Xを優先的にチョイスすることになる。またAFの操作が肝になるような中近距離の被写体の場合も、マルチセレクターが使えるOM-D E-M1Xの出番である。一方、目的地への行程がきつく1gでも軽量化と小容量化を図りたいときはOM-D E-M1 Mark IIの一択。都内の公園などでサクサクっとスナップ風景を撮りたい場合もOM-D E-M1 Mark IIを選ぶ。ロケハンでもOM-D E-M1 Mark IIの出番はある。こうしてみると、両機を使い分けることで様々な場面に対応できることになり、その結果、撮影領域が広がり、新たな表現も期待できると言うわけである。