【オリンパスギャラリー東京】2015年10月23日(金)〜10月28日(水)根本 タケシ 写真展
根本 タケシ 写真展「能登 空と海と」
期間:2015年10月23日(金)〜10月28日(水)
午前11:00〜午後7:00 最終日 午後3:00
木曜休館
会場:オリンパスギャラリー東京
入場無料
私が初めて能登に足を踏み入れたのは今から 50年以上前、高校1年生の夏だった。この時、山岳部の同級生と<半島を徒歩で一周>した経験は深く胸に刻まれた。その後、写真で生活するようになり、能登の作品は、何回か発表の機会が得られたが、胸に刻まれたものを全て吐き出すまでには至らず、その都度<物足りなさ>を感じていた。
2011年脳出血を発症し左半身に麻痺が残り、一時は写真界から足を洗うことも考えたが、周りからの励ましもあり、もう一度カメラを持とうとリハビリを始めた。この時、背中を押してくれたのがolympus OM-Dだった。左手の感覚障害のため、重いカメラは保持できない。どんなに頑張っても手ブレする。こんな時、右手中心でカメラを保持し、手ブレをほとんど気にせず作品作りに取り組めるこのカメラに出会ったことでリハビリに取り組むモチベーションが維持できた。今では、左手も使い<レンズ交換>もできるようになった。PT、OTの療法士からは「これだけの麻痺で、ここまで運動能力を回復したのは奇跡だ」と言われている。復帰後、初の展覧会を開かせていただいた時、テーマを能登に置き、公共交通のみを使って移動・撮影するといった暴挙に近いことができたのも、OM-Dがあったればこそ。
今回の<能登 空と海と>展では、能登作品の一里塚として発病前の作品、発病後の作品を混在させて展示する。いまや、手にしっかり馴染んだ OM-Dは、発病前の作品と並べて展示しても全く問題ないと確信できるほどになったからだ。そしてこれからも、胸に刻まれた全てのものを吐き出すまで能登作品の発表は続ける。
高齢化社会・高度医療体制が完備した日本では、私と同じような病気にかかり命は永らえたものの、半身麻痺を抱えて生活せざるを得ない方が多くなっている。この写真展、OM-Dでの撮影リハビリがそんな方の復帰の道標になり、リハビリを続ける一助になれば幸いである。
【作者略歴】
根本 タケシ(ねもと たけし)
広告写真家、写真作家
東京生まれ
早稲田大学中退後、東京写真専門学院(現・ビジュアルアーツ)卒業
写真家・松島進氏に師事
主に広告写真撮影で活躍
20年近く前からデジタルワークフローを模索
デジタルモノクロプリントの草分け
デジタルフォトが全盛になる中、プリントの重要性を訴え、心象風景を標榜し、深川、鎌倉、能登などを主なテーマに「深川散歩」シリーズ、「能登」シリーズ、「鎌倉円覚寺」、「永平寺」などの作品を発表
現在では、セミナー、写真教室、雑誌の執筆など広告写真以外でも多岐にわたり活躍
公益社団法人広告写真家協会会員
公益社団法人日本写真家協会会員
日本写真芸術専門学校主任講師
イルフォードマスター
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