2022年6月2日 ~ 6月13日「東京写真月間2022」Space1:(A/B面) 櫻井靖彦「王滝・三岳 三十六景―愛知用水ふるさと紀行」
「東京写真月間2022」「地域との共生」
Space1:(A/B面) 櫻井靖彦「王滝・三岳 三十六景―愛知用水ふるさと紀行」
期間: 2022年6月2日(木) ~ 6月13日(月) 10:00 〜 18:00
最終日 15:00 まで ※休館日6月7日(火)・8日(水) 入場無料
同時開催:Space2:(C/D面) 風間健介 「夕張」 撮影‐風間健介 所蔵-幸村千佳良
【写真展案内】
「はるかにのぞむ御嶽や
伊吹の山の春がすみ
あいづま川や境川
流れる水に地はめぐむ
ここにひらけた学びやは
伸びる刈谷の小高原・・・」
これは我母校、刈谷市立小高原小学校の校歌一番です。冬のよく晴れた日に愛知県の平野部から、猿投山の右に大きくて白い木曽の御嶽山が見えます。御嶽が街並みを見下ろすように、 望遠レンズで撮った地元の人の作品を全日写真連・刈谷支部の例会で見たことを思い出します。御嶽山は、見慣れた「心のふるさと」でした。
知多半島は東西が海です。三河や尾張のような河川がない知多の稲作は、古来から小さな溜池と跳ねつるべの井戸が頼りの「照るも降るも神だのみ」でした。戦後の大干ばつを機に、知多の先駆者たちは御嶽と木曽川から農業用水を引く構想を3.6m×1.6mの大図面に具現化。時の吉田総理大臣に陳情し、国の一大事業となりました。木曽川上流にダムを築き、兼山取水口から知多半島南端までの幹線水路を引くという壮大な計画でした。その後、愛知用水公団により支流の王滝川に牧尾ダムが築かれて、120Km下流の兼山から取水する112Kmの幹線水路が施工されました。夢の愛知用水が実現したのは、木曽と知多の心通う地域の共生があったのです。王滝と三岳を水のふるさととして、私たちは今も交流を重ねています。 ボルタ判のカメラから始めた写真の趣味は、今も続く愉しみです。遠足に鉱石ラジオを携行した少年は、今も電気技術者として培った物つくりの技能を活かし、またパソコンが欠かせない相棒です。退職を機に田舎へ移り、同好の仲間と、季節の彩や野山に咲く花を巡っています。写団ホワイトでは「自然を詩う」をテーマにする作品を研鑽し、撮影から額装までを会員自身で手がけています。全倍サイズの展示は「絵のようだ」との好評を聞きます。その写真展を見たモンゴルの知人に招かれ、あこがれの青空と草原の国へ行けたのも、千里の一歩です。今後も続くこの道を、多くの友と歩いていきたいと思います。
2021年9月、愛知用水は通水60周年を迎えた。私は、その水源地の王滝と三岳の自然を10年程前から撮影してきた。素晴らしい四季の風景から36点を選び、 出会いの逸話や感想などを書き添えて、手作りの写真集「王滝・三岳 三十六景 ~ 愛知用水ふるさと紀行」ができた。冬景色の数年間の変化から地球温暖化の兆しを感じた。王滝と三岳の友人たちにも、そのことを伝えた。愛知用水の事業について、多くを学ぶ機会にも恵まれた。お世話になった多くの皆様に心よりお礼を申し上げます。
【出展者略歴】
櫻井 靖彦 SAKURAI Yasuhiko
1943年:静岡県浜松市生まれ
1955年:小学6年、級友と鉱石ラジオ工作、遠足で桶狭間に携行
1958年:中学2年、ボルタ判カメラStart35入手、級友など撮影
1960年:高校1年、Mamiya6を借用、ネガを印画紙に密着焼付
1961年:高校3年、YashicaLINX1000を入手、友人と銀塩暗室作業
1962年:日本電装(株)に就職、自動車部品の設計業務に従事
1975年:CHP・ETL海外安全認証の製品撮影、白黒印画紙暗室作業
1989年:全日本写真連盟刈谷支部新人賞、日本の自然に入選
1994年:カラーネガ印画紙の現像装置を自作、四切引伸(自宅暗室)
1998年:OlympusC1400Lを採用、電子基板の顕微鏡撮影、文書作成
2002年:APSサイズデジタル一眼カメラを入手、フィルム一眼と併用
2003年:(株)デンソー退職、Tyco社に再就職。川崎市に単身赴任
2005年:フルサイズデジタル一眼を入手、デジタル写真がメインになる
2006年:ミノルタギャラリーで日本大判寫眞家協会展を見て全倍に感動
2008年:Tyco社退職、日本山岳会の活動を再開、支部山行を撮影記録
2010年:写団ホワイト、フジフォトサロン写真展に銀塩全倍パネル展示
2011年:日本大判寫眞家協会「公募展」デジタル部門に入選「太古」
2013年:写団ホワイト、刈谷市美術館写真展でインクジェット全倍展示
2015年:知多半島写真倶楽部入会、中判フィルムとデジタルの比較検証
2016年:写真展で出会ったモンゴル人に招待され同国を1500Km走行撮影
2019年:写友3名とモンゴル国を再訪。フブスグル湖へ1800Km走行撮影
2020年:美しい風景写真100人展入選、写団ホワイト第30回記念写真展
2021年:個展「七十七の彩時喜」ボルタ判ネガ~最新作の77作品展示
OM SYSTEM GALLERY(旧 オリンパスギャラリー東京)
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