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フォトライター 小貝哲夫:OLYMPUS TG-810といく、総距離740kmの壮大なカヌーマラソン Yukon River Questにチャレンジ [2011/07/28公開]

フォトライター 小貝哲夫

フォトライター
小貝哲夫

(Tetsuo Kogai)

プロフィール

ユーコンリバークエストは、白夜のユーコン準州を舞台にホワイトホースからドーソンまでの740kmを漕ぎきるパドリングマラソンだ。昼夜を徹して漕ぎ続け水飛沫がかかったり、時にはカヌー転覆の可能性もあるのでカメラは迷わずTough TG-810をチョイスした。TG-810はGPSを搭載しているので後から撮影場所が分かるのも頼もしい機能だ。

カナダ ユーコン準州

「ユーコン準州」とは
カナダの準州の一つ。準州都はホワイトホース。
カナダ最高峰のローガン山がある南西部はクルアニ国立公園・保護区になっており、世界遺産に登録されている。
北部では夏至に一晩中太陽が沈まない白夜が見られる。ハーシェル島などの島嶼がある。

ユーコンリバークエスト 移動ルート

※TG-810で撮影した画像にはGPS座標が付いていますので、撮影場所の確認ができます。
GPS機能について

地図

  • 1. ユーコンリバークエスト チャレンジ
  • 2. 気が遠くなるような総距離740kmの壮大なカヌーマラソン
  • 3. レースといえども楽しい記録は残しておきたい
  • 4. 5. 自分のペースを守り漕ぎ続けることが大切
  • 6. 横になったら直ぐに深い眠りに落ちていた
  • 7. 移り変わる自然の風景が一番の楽しみ
  • 8. 夕暮れのなかでもしっかり写真を撮ってくれる最高のパートナー
  • 9. 話しているのに顔が見えない不思議な体験
  • 10. 不思議で楽しいユーコンリバークエスト

1. ユーコンリバークエスト チャレンジ

ユーコン準州は、僕にとって特別な場所。2006年に初めて訪れた時、野生動物やオーロラ、ツンドラの景色に心を奪われた。アクティブなスポーツマンにとっても楽園で、トレッキングや山スキー、マウンテンバイク、パラグライダーとアクティビティに関しても懐が広い。

今回のチャレンジは、いつもと勝手が違うカヌーという新しいフィールド。それも穏やかに流れる時間を楽しむカヌートリップと違い、マラソンのようにパドリングをし続けて740km先のゴールを目指すレースだ。現地に入りトレーニングと準備を進めながらスタートの日を迎えた。

2. 気が遠くなるような総距離740kmの壮大なカヌーマラソン

地元ユーコン準州を筆頭にカナダ国内、アメリカ各州、イギリス、オーストラリア、オーストラリア、フランス、フィンランド、スエーデン、ラトビア、そして日本から72チームが参加した今回のユーコンリバークエスト。僕は友人と共にタンデムカヌーで参加した。

スタートの合図とともに、300mほど走ってユーコン川に沿って並べられた自分のカヌーに乗り込む。カヌーはエントリー順に並べられるので、ゼッケン71の僕ら「TEAM JAPAN」は最後尾からのスタートになった。今回はゴールが目標なのだが、さすがに740kmの長距離ともなると、ちょっぴり不安な気持ちが顔を出す。

3. レースといえども楽しい記録は残しておきたい

いくらガチンコのレースとっても、大自然の中で出会う素晴らしい光景は写真に残しておきたい。10m防水のタフTG-810ならば、余計な気を遣わずに撮影できるので安心だ。それでも転覆に備えてフローハンドストラップを現地で購入して取り付けた。通常、タフはトレッキングやパラグライダーのフライトで使っているので、フローハンドストラップは新しい感覚だ。

約3日間かけて行われるレースなので、バッテリーのスタミナを意識して必要以外は電源を切り、念のために予備バッテリーも持参した。そう言えば、ほとんどの参加者が新旧のタフを使っていたのが印象に残っている。

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4. 5. 自分のペースを守り漕ぎ続けることが大切

今回のレースで一番の難所が、長さ50kmのラバージュ湖の縦断だ。正午にスタートして湖の最初のポイントを17時過ぎに通過したが、とにかく広いので流れもほとんどなく自力で漕ぎ続けなければならない。途中から横風を受けながら波を乗り越えてのカヌーイングになった。 ラバージュ湖の最後のポイントで20分ほどの長い休憩を取り、汗をかいたシャツを着替え、防寒用の衣類を身につけた。特にこのポイントでは必ず長目の休憩を取るようアドバイスを受けていた。最初の休憩ポイントまでは、まだ230kmもある。焦りは禁物、とにかく自分のペースを守って無理をしては途中でばててしまう。

6. 横になったら直ぐに深い眠りに落ちていた

一回目の休憩は323km地点のカーマックスで7時間、二回目の休憩は528km地点のカークマンで3時間が義務付けられている。上陸すると満足に下半身が動かずに、自力で歩くこともできなかった。食事を取ってテントに潜り込む。外は蚊の大群なので、テントの中は天国だ。それぞれ5時間半、1時間半ほどの睡眠を取ったがずうっとそのまま寝ていたい衝動に駆られる。

写真は二回目の休憩の後、夜23時52分の最スタート。ヘッドライトを付け、ライフベストの上から防寒用のジャケットを着ている。

7. 移り変わる自然の風景が一番の楽しみ

後半の360kmは、アクセスできる道路のないユーコンの原野の中を漕ぎ進んでいく。二度と出会うことはない風景をかみしめながら、漕ぐ合間にシャッターを切る。青空を旅客機が通り過ぎていくと一筋のひこうき雲が現れた。風に流された雲は、螺旋状の不思議な形に変化していく。どこまでも続く単調な時間の中で、自然の景色が唯一の楽しみだ。

昨年は雨と低温で1/3が棄権するという荒れた展開だった。今回も天気予報では連日の雨模様だったが、蓋を開けてみれば暑すぎず寒すぎずの最高のレース日和が続いたのは幸運だった。雨のなかでタフのパフォーマンスを実証できなかったは残念だが・・・。

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8. 夕暮れのなかでもしっかり写真を撮ってくれる最高のパートナー

ゴールまであと半日、日付が変わったころ漸く西の空が赤く染まった。とにかくひたすら漕ぎ続けなければならない今回のレースでは、カメラの設定をいじっている時間がない。だからプログラムオートに設定したまま、全てタフTG-810まかせの撮影だ。

小さなボディに収められたCCDシフト式手ぶれ補正機能のおかげで、夕暮れのなかで水面の微妙なうねりも映し出してくれた。

9. 話しているのに顔が見えない不思議な体験

今回は2人乗りカヌーでの参加。常に会話をしてコミュニケーションを取っているのだが、ひとたび漕ぎ出してしまえば相棒の顔を見ないまま何十時間も時間が過ぎていく。何ともいえない不思議な感覚だ。

時々TG-810を後ろに向け、当てずっぽうにシャッターを切ってみる。こんな時でも顔検出機能があるので、しっかりフォーカスが合っている。画像を再生して、相棒の元気な表情を確認して一安心。「まだまだいけるぞ!」と気合いを入れた。

10. 不思議で楽しいユーコンリバークエスト

どうにかドーソンまでの740kmを漕ぎきってレース終了、62時間33分(10時間の休憩は含めず)で総合44位でのゴールとなった。例年のレースでは昼間の暑さや夜の寒さが大敵になるようだが、レースコンディションに恵まれ、天候に苦しめられたことはなかった。

一番の大敵は眠気で明け方には強烈な睡魔に襲われ、居るはずのない人影を見たり、岩や流木が熊や象(居るはずがないのだが)などの動物に見えてしまう。ユーコンリバークエストの特徴は、後半に誰もが見るというこの幻覚なのだそうだ。スピリチャルな体験に興味があるかたは、是非来年のレースに参加してみては如何だろう。

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今回のフォトグラファー

フォトライター 小貝哲夫

フォトライター 小貝哲夫

1960年、東京都出身。
体育大学体育学部卒業後、海外青年協力隊に参加し世界の広さを知る。帰国後パラグライダー販売業の傍ら世界中を旅する。
1999年フリーランスとして独立して自らを人生、興味、趣味の中を旅する「Traveler」と称し、その交差点で仕事をするというコンセプトの「CROSSROAD」を主宰。パラグライダー専門誌を中心にアウトドア、旅、もの、レスキュー、ミリタリーなど広い守備範囲は広いアドベンチャー系フォトライター。

TG-810のGPS機能について

今回撮影に使用したTG-810は、撮影した場所の位置情報を記録する「GPS機能を搭載しております。GPS機能をオンにして撮影するだけで撮影した国や地域を自動で記録し、 撮影後は画像を場所ごとに呼び出したり、[ib]上の地図に表示させるなど、 写真の楽しみ方がひろがります。

今回使用したカメラOLYMPUS Tough TG-810

水深10m防水で、落下や荷重にも強く、マイナス10℃の過酷な環境で撮影可能。GPS & 電子コンパスを新たに搭載した、防水・防塵デジタルカメラ

詳細

OLYMPUS Tough TG-810