ランカウイ島の最高峰はラヤ山で標高881m。山肌は深い森に覆われており、サイチョウをはじめとする多くの野鳥が生息している。E-M1Xは通常撮影で約2000万画素だが、手持ちハイレゾショットで撮影すると約5000万画素もの画素数が得られる。なお三脚使用のハイレゾショットではRAW現像で約8000万画素もの画素数が得られるため、風景などより繊細な描写を必要とする撮影で積極的に使いたい機能だ。
- E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
- 絞り値:F8.0
- シャッター速度:1/125
- ISO感度:200
- WB太陽光
- 手持ちハイレゾショット
森を歩いているときのこと。特徴的な鳴き声の声を頼りに探してみると、枝先に長い尾羽を持つ鳥を見つけた。カザリオウチュウだ。警戒心を与えないよう電子シャッターで無音撮影した。
- E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14
- 絞り値:F5.6
- シャッター速度:1/1500
- ISO感度:400
- WB太陽光
東南アジアでは何種類かのサイチョウが生息している。サイチョウは嘴の上部に突起がある大きな鳥で、全長1mを超えるものもいる。このカササギサイチョウは全長70cmほどの中型のサイチョウで、ランカウイでは比較的よく見かけるサイチョウだ。体の大きさに似合わない小さな木の実を嘴の先端で一つずつつまんでは、空中に放り投げて口に運んでいた。
- E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14
- 絞り値:F5.6
- シャッター速度:1/180
- ISO感度:200
- WB太陽光
バサッ、バサッ、という大きな羽音を聞いた。空を見上げると翼開長が1.5mは超えようかという大きな鳥。オオサイチョウだ。オオサイチョウはひときわ大きく鮮やかな嘴を持ち、堂々とした面持ちの鳥だ。今回写真には収められなかったが、夕暮れ空に三々五々ラヤ山に飛んでいくオオサイチョウのシルエットが印象的だった。
- E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20
- 絞り値:F8.0
- シャッター速度:1/1000
- ISO感度:400
- WB太陽光
今回のマレーシア取材に使用した機材は、カメラボディがE-M1XとE-M1 Mark IIの2台、レンズがM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO とM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROの2本、加えてテレコンバーターMC-14とMC-20である。小さな鞄にすべて入ってしまうようなこれだけのシステムで、フルサイズ換算24-200mm F4、600mm F4、840mm F5.6、1200mm F8相当で使え、トータルの重量は4kgにも満たない。これはフルサイズ用の大口径超望遠レンズ1本分の重量と同等で、OM-D機材一式を飛行機へ持ち込んでも重量制限を余裕でクリアできるため海外取材では大助かりだ。
- E-M1X + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20
- 絞り値:F8.0
- シャッター速度:1/20
- ISO感度:800
- WB太陽光
僕はOM-Dシステム初号機であるE-M5の登場時からOM-Dのポテンシャルを感じ、これまでE-M5系とE-M1系を一通り使ってきたが、野鳥撮影を通じてOM-Dの確実な進化を実感している。とくにM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROとE-M1 Mark IIの登場は野鳥撮影に高い機動力をもたらし、E-M1Xで動体撮影能力が飛躍的に向上した。そして次は2倍テレコンMC-20によるさらなる超望遠撮影と、E-M1 Mark IIがVer.3.0アップデートによる撮影能力の進化だ。さらにその先には開発発表されたM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROの発売も控えている。
機動力に優れたOM-Dとなら、世界のどこへでも野鳥撮影に行けそうな気がする。さて次はどこに出かけようか。