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アングル別!ネモフィラ撮影テクニック

写真家 吉住 志穂

撮影・解説 : 写真家 吉住 志穂

2026年04月公開

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はじめに

爽やかなブルーが印象的なネモフィラ。2cmほどの小さな花が密集し、青い絨毯のような大群落は絶景スポットとして人気があります。4月から5月にかけて開花し、春の澄んだ空とよく合いますよね。青空を入れて花畑を広く写すのが定番の撮影パターンですが、可憐な花をクローズアップするのもおすすめです。花色や大きさが同じなので、狙い方がワンパターンになりがちなので、捉え方に変化をつけてバリエーションを増やしましょう。しかし、いずれのスポットも観光地ゆえに人が多く訪れるため、人を避けるのに苦労します。アングルやフレーミングの工夫で、人を画面に入れずに写すテクニックもご紹介します。

丘の斜面を下から見上げるように狙いました。奥には通路があって、人が途切れることなく歩いていました。立ったままのアングルでは奥の人が見えるのですが、下から見上げることで花が人を隠してくれました。ローアングルの体勢で撮るのがきつい場合は可動式の液晶モニターを引き出せば楽な姿勢で撮ることができます。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当*, Aモード, 1/250秒, F8.0, ISO 200

人を入れない方法としては斜面の一部を切り取る方法もあります。通路のない角度を探して、その部分を狙いましょう。部分が限られるので写す範囲を調整できるズームレンズが便利です。ネモフィラには青の他に白い品種もあって、二色が分かれる部分を入れました。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当*, Aモード, 1/1600秒, F3.2, ISO 200

観光客の賑わいを入れてスナップ的に撮るのもいいですね。人物を対比させることで、いかに花畑が広いのかを伝えることができます。また低いアングルから狙い、手前をわずかにぼかすことで奥行きが出てくるので、丘の高さを強調することができました。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当*, Aモード, 1/1600秒, F2.8, ISO 200

花畑の中でも密集度が高い部分とスカスカしている部分があります。花のたくさん咲いている部分を選んで、絨毯のような様子を写しましょう。高い位置から見下ろしていますが、花が密集し、葉も茂っているので茶色い地面が写らず、綺麗な色で画面を埋めることができます。絞りをF8に絞り込んで全体的にシャープに写しています。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II
54mm相当*, Aモード, 1/250秒, F8.0, ISO 200

前の作品とは違い、低いアングルで写しています。また絞りはF2.8と明るいので、ピントを合わせた中心部の前後がボケました。アングルと絞りの違いによって、全体的にシャープに写ったり、前後がぼけたりするので、イメージによって的確に選択していきましょう。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
240mm相当*, Aモード, 1/3200秒, F2.8, ISO 200

標準ズームの広角側でネモフィラをクローズアップしました。広い画角のレンズでも近づけばある程度は大きく写すことができます。広角接写のメリットは望遠レンズでのクローズアップとは違い、広い範囲の背景を取り入れられること。花と共に青空と白い雲を背景に入れることができました。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
30mm相当*, Aモード, 1/1600秒, F2.8, ISO 200

望遠レンズでマクロ的な撮影が可能です。150mmを選択し、ピントが合うギリギリまで迫っています。花に近づくこと、焦点距離の長さ、また、絞り値の明るさによって背景が大きくボケました。曇りの日は花びらが淡くやわらかに写るのでボケの表現によく合います。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
300mm相当*, Aモード, 1/160秒, F2.8, ISO 200

白いネモフィラを青空バックで撮影しました。画面下には前ボケを入れて、一輪の花だけが引き立つように工夫しました。ボケを作るには焦点距離の長さが必要です。150mmの望遠ズームに1.4倍のテレコンバーターMC-14を装着し、焦点距離を210mmまで伸ばしてボケを引き出しました。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROMC-14
420mm相当*, Aモード, 1/1600秒, F4.0, ISO 200

天気の良い日に青空と共に写すのが定番ですが、いろいろな表情を狙うのであれば雨の日に撮影してみてはいかがでしょうか。水滴が花びらに付いた姿には儚げな雰囲気があります。あえて小さく写し、花が向いている方向(左)を切り詰めました。防塵防滴なカメラ、レンズを使えば雨の日も安心して撮ることができます。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
300mm相当*, Aモード, 1/1000秒, F2.8, ISO 200

背景に見えるピンクのボケはチューリップです。ネモフィラは青一色になりがちなので、変化をつけるために別の花の彩りを取り入れました。常に何が背景に入るかを意識して主役を決めましょう。また、逆光では花を光が透過して透明感が出るので、積極的に逆光で撮影してみてください。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
300mm相当*, Aモード, 1/2500秒, F2.8, ISO 200

前の作品と同じシーンで撮影したものですが、こちらはチューリップを主役しました。ネモフィラは主役にするのもいいですが、背景の彩りとしても良い役割を果たしてくれます。青とピンクは反対色になるので互いの色が引き立ちますね。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
300mm相当*, Aモード, 1/1000秒, F2.8, ISO 200

まとめ

いざネモフィラ畑を前にすると圧倒的な美しさにどう撮ればいいのか悩んでしまうこともあるとおもいます。しかし、事前に撮りたいイメージを持って臨めばアイデアが浮かびやすくなり、自然とバリエーションは増えていくはずです。まず全体を広く写すパターンとアップで撮るパターンに挑戦してみましょう。さらに花に対するイメージに合わせて、レンズやアングル、露出、構図、ボケ具合、光の方向などを総合的に考えて選択しましょう。

*35mm判換算値

吉住 志穂

吉住 志穂

1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。高校生の頃から撮影を始め、それ以来、写真ひとすじで今に至る。写真家の竹内敏信氏に師事し、2005年に独立。「花のこころ」をテーマにクローズアップを中心として作品を発表している。女性ならではの視点で捉えた作品が多く、写真展「花時間」では和紙にプリントし、掛け軸に仕立てた作品が好評を博す。また、写真誌やWebでの解説や撮影講座の講師を務める。
日本写真家協会(JPS)会員
写真展「Heartful Flowers」「Ants」「Yin&Yang」「花時間」など

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