カメラアイコン Photo Recipe(フォトレシピ)

色あそびから、自分色を見つけよう。

写真家 千田 智康

撮影・解説 : 写真家 千田 智康

instagram:@chikkun_photo
X:@TomoyasuChida

2026年1月公開

カメラアイコン 記事内で使用した
レンズをご紹介

はじめに

みなさんは、どんなものに色を見出しますか?
家の中、通勤路や通学路、よく遊びに行く場所。はたまた身近な人物など。
ふだん目にする何気ない光景にはさまざまな色があって、それは人の数だけ存在し、変化に富むもの。そんな色をコントロールして、表現できる機能がOM SYSTEMのカメラには備わっています。

たとえば、OM SYSTEMのすべてのカメラに備わっているアートフィルターしかり、E-P7、OM-3に備わっているカラークリエイター、カラープロファイルコントロール、モノクロプロファイルコントロールもそうです。つまり、色を操れるということ。色とあそんで、自分の意図した色で写真表現を楽しめるのです。

今回のフォトレシピでは、そんな魅力的な「カラープロファイルコントロール」で撮影した写真をご紹介します。

自分に合う色を探してみる

写真を撮る方なら「プリセット」という言葉を目にしたり、耳にしたりしたことがあるのではないでしょうか。撮影した写真をスマートフォンやタブレット、パソコンであらかじめ用意された、もしくは自作のプリセットを適用し、微調整のうえSNSで発表する。
これが一般的な手法だと思いますが、実は「カラープロファイルコントロール」はいわばこの「プリセット」で、カメラ内で自分の色を作り、さまざまな端末で編集してきたことをカメラ内で完結できるのです。

「カラープロファイルコントロール」は4種類あります。「好きだから」「なんとなく雰囲気的に合いそうだから」など、プロファイルをセレクトする理由は人それぞれにあるでしょう。スナップやポートレートを主に撮影するわたしはそのどちらにも該当し、かつ「決定的瞬間を逃すぐらいなら都度設定を変えずに撮ったほうが良い」と判断する場合もあります。OM SYSTEMのカメラには、カメラ内で編集できる機能が装備されています。「あとから別のその場の雰囲気に合うと判断できるプリセットを適用できる」こともアドバンテージで、「都度設定を変えずに撮ったほうが良い」と割り切れる大きな判断材料です。

COLOR3:彩度が高く、濃い発色が特徴的

カラープロファイルコントロールの「COLOR3」で撮った写真は、彩度が高く濃い発色が特徴的なフィルム風の効果が得られます。はじめに「COLOR3」で撮影した作品を紹介します。

鮮やかでメリハリのある表現は「COLOR3」ならでは。影を大胆に使い、モデルさんの目元までを覆う。モデルさんはどのような表情なのか想像力を掻き立てることを意図しつつ、口元に視線を誘導する構図を作って切り取りました。
モデル:Jin

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/8000秒, F1.8, ISO 100

なんてことない橋の上で撮った写真と見せかけて、実はモデルさんの表情にスッと視線誘導する構図を作っています。ガードレールと路面のペイントの白の三角の間に、モデルさんの表情を配置。しかもただ配置しただけでなく、暗い背景に入れることも意識しています。モデルさんの表情が白の三角に重なることや、明るい背景にあることを想像して比較すると、この構図が腑に落ちるのではないでしょうか。人工物が多い街の中にひそむ自然をモデルさんの表情の引き立て役に利用することも、スナップポートレートの楽しみ。ぜひみなさんも街のなかで発見して楽しんでみてください。
モデル:Jin

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/5000秒, F1.8, ISO 200

気をつけたのは、すべり台の構図とモデルさんの表情と位置だけ。OM SYSTEMのカメラの良さは色作りだけにとどまりません。良さは数多くありますが、構図を決め、連写モードに設定してシャッターを切っただけ。可能であれば、静音撮影(電子シャッター)など、撮影の枚数(コマ数)が多いものを選択しましょう。
モデル:tanco

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/160秒, F1.8, ISO 200

文字どおり色あそびをしたわけですが、モデルさんには「わたし女性だっけ?男性だっけ?どっちだっけ?」って表情を作るよう注文し、何枚か撮った中で一番いい表情の写真をセレクト。一つ前の写真と合わせて、組写真としても展示しました。みなさんはどちらに向かったと思いますか?そんな問いかけやストーリー性を描けるのも色あそびの良いところ。彩度が高く濃い発色が特徴の「COLOR3」で色あそび。おすすめです。
モデル:tanco

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/320秒, F1.8, ISO 200

飛散防止の針金をフレームに見立て、ガラスの汚れが西日できれいな玉ぼけを演出する、いわばエモいシーン。フレームの中に女性が収まることと、ほかに人が入らないこと、もちろん、針金や柵を取り除きたいシーンもあります。ですが、このようにフレームに見立てるどうですか?悪くない、むしろ良いと感じた方は多いのでは?針金や柵のほかにも柱や木などもフレームに見立てることができます。ちょっと距離を置く、俯瞰することで写真の引き出しが確実に増えますので、ぜひお試しいただきたい手法です。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/160秒, F11, ISO 200

COLOR4:淡く、やわらかい色調に仕上げる

しっとりした雨をしっとりと表現したくて「COLOR4」をセレクト。歩道にできた水たまりに、跳ね返る雨粒。傘を持っていなくて家路を急ぐ女性が走ってゆく瞬間をローアングルから撮影しました。バリアングル液晶画面だからそこのローアングル、構図 です。わたしはこのバリアングル液晶を上に向けたり、下に向けたり最大限に活かして撮影します。カメラの機能から写真表現の幅や可能性を広げてくれます。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
40mm相当*, Aモード, 1/1000秒, F2.0, ISO 200

影で空間を作り、日向にスマートフォンを操作する男性を入れて撮りました。これは柱と影、床の模様をフレームに見立て、男性に視線誘導しています。都市風景ならではの大きなビルの柱やコンクリートなどモノトーンな色彩を淡く、やわらかく表現できるのは「COLOR4」ならでは。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/640秒, F8.0, ISO 200

COLOR1:カスタマイズして自分の色を作り撮ってみる

カラープロファイルコントロールでたくさん撮って、それぞれの特長を知ったあとは、どんどんカスタマイズして「自分色」を見つけられることもこの機能の醍醐味です。
12色の彩度を変えられるほか、トーンカーブやコントラスト、周辺減光など細かく設定することができます。
わたしは、4種類のプロファイルうちでそれぞれの設定がデフォルトでニュートラルな「COLOR1」をカスタマイズ。淡く、どこかなつかしい色調を意識して彩度とトーンカーブを調整して撮影しました。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/400秒, F1.8, ISO 200

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/100秒, F1.8, ISO 200

組写真を意識して撮影した2枚です。トーンカーブでハイライトを下げ、シャドウを持ち上げ、彩度は全体的に落としています。横写真の方は、鏡面反射がモデルさんではないこと、モデルさんの右側にフレームインした女性含め、皆が同じようなポージングなのもお気に入りです。
モデル:彩(sai)

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/500秒, F1.8, ISO 200

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/80秒, F1.8, ISO 200

小型・軽量のカメラとレンズの組み合わせならではの写真です。バリアングル液晶画面をタッチしてシャッターを切った1枚と、モデルさんに生い茂る植物の隙間に入ってもらって撮った一枚。落ち着いたトーンと表情がマッチしました。
モデル:みつは

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/20秒, F1.8, ISO 200

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/400秒, F1.8, ISO 200

1枚目はモデルさんに影に重ならず、かつ好きな数字のパネルに立ってもらいました。
2枚目は雨で傘をさしたシチュエーション。傘に寄ったため、光が反射した水滴は淡く大きな玉ぼけになり、モデルさんを含む画面全体を幻想的に表現することができました。
モデル:mo_monin

直線的な光と影が交差するシーン。光が対角線に伸びる先に、干されたタオルを配置する構図で切り取りました。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/640秒, F5.6, ISO 200

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/30秒, F4.0, ISO 200

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
34mm相当*, Aモード, 1/125秒, F5.6, ISO 1600

この2枚に共通するのはタイル地の中に人を配置していること。片方は白のタイル、片方はベクトルの先に人を配置して、どこかストーリー性を感じさせる余地を残しました。

おわりに

4種類ある「カラープロファイルコントロール」をひと通り使い、それぞれの特徴を把握したうえで「自分カラー」をつくり「COLOR1」に設定して、フォトライフを楽しんでいます。カラープロファイルコントロールの良さは、12もの色をカスタマイズできる点はもちろん、複数のプロファイルを用意して色表現の提案してくれること。このなかで写真を楽しむもよし。「あれとこれの良さを組み合わせを「自分カラー」にしたら、さらに楽しめるかも」。そんな好奇心やトライアンドエラーを楽しめるのも「カラープロファイルコントロール」の良さでもあると、わたしは思っています。わたしの「自分カラー」は青系の彩度を残しましたが、みなさんの「自分カラー」はどんな色ですか?みなさんにも「色あそび」でフォトライフを楽しんでみませんか?

*35mm判換算値

千田 智康

千田 智康

岩手県水沢市(現:奥州市)出身、横浜市在住。
スナップやポートレートを中心に撮影。独自の目線でアーティスティックに、そしてドラマチックに切り取り、誰もがストーリーを思い描いて楽しめる写真表現をライフワークの一つとする。
カメラ専門誌や書籍、ウェブコンテンツの執筆のほか、家電量販店でのセミナー、フォトレッスンも行う。CP+にも登壇。楽しく自然体でありながら、モデルを引き立てる独特な構図を丁寧にわかりやすくレクチャーし好評を博した。
2025年「OM SYSTEM GALLERY II」にて「WONDERFUL WORLD II」を開催。

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X:@TomoyasuChida

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