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しずく撮影に挑戦!マクロレンズとひまわり畑

写真家 6151

撮影・解説 : 写真家 6151

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2025年10月公開

カメラアイコン 記事内で使用した
レンズをご紹介

はじめに

お元気ですか、6151です。

OM SYSTEMのカメラと共に北海道で開かれた北竜町ひまわり祭りへ。今回はマクロレンズを使ったお花畑のスナップやマクロ撮影のあれこれについておはなしします。

ぼけ感を活かした撮影が楽しい60mmマクロでスナップ撮影

マクロレンズというと、接写撮影が得意なレンズのイメージですがスナップ撮影にももちろん活用も可能。わたしのイメージでは接写も得意だけど、普段の撮影にも活用できるオールマイティーなレンズ、それがマクロレンズです。

まずは定番構図の1枚から。
120mm相当*のマクロレンズなので、被写体に近づき過ぎず、少し離れた位置からでも撮影可能。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*, Mモード, 1/2500秒, F2.8, ISO 100

人物とひまわり畑。左手前のひまわりを前ボケとして取り入れる事で、手前から奥の山々まで、奥行のある構図を作る事ができました。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*, Mモード, 1/2500秒, F2.8, ISO 80

この「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」は中心から周辺まで高解像度。普段は開放で撮影することが多いですが、マクロレンズで撮影する際は絞って撮影することが多くなります。高い解像度で高コントラストな撮影ができるマクロレンズが1本あるとシャッターを切るタイミングも自然と増えていきます。

北海道北竜町の「ひまわりの里」には日本最大級の200万本のひまわりが広大な土地いっぱいに元気に咲き誇っていました。例年7月20日から8月18日頃までここではひまわりまつりが開催されており、時期によって咲くひまわりの種類も異なるため、開催中は様々なひまわりを楽しむ事ができます(開花情報は公式サイトからもリアルタイムでチェックできて便利)。

ピント位置はひまわり畑の少し手前側に。空とひまわり畑のコントラストを表現したく、できるだけ水平をキープ。この日は少し風が出ていたので、被写体ブレを防ぐためにシャッタースピードに気を付けて撮影を行いましたが、もし風が強くない日は、深度合成機能を使用して、ひまわり全体にピント合わせて撮影するのもおススメです。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*, Mモード, 1/2500秒, F2.8, ISO 80

今年は例年より背の低い開花だったそうですが、わたしに撮ってはちょうどいいサイズ感!というわけで、記念に満開のひまわりを背景にセルフポートレート。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*, Mモード, 1/2500秒, F2.8, ISO 250

事前に準備しておくと便利なOM SYSTEM公式アプリ「OM Image Share」をダウンロード。画像転送、画像の加工、リモコン機能等 便利なツールを搭載した専用アプリで、Bluetooth & Wi-Fiでカメラと繋げばスマホの画面からライブビュー映像で自分のアングルを確認しながら撮影が可能。お花畑とポートレートが撮りたいけどモデルがいない、記念撮影したいけどこだわった撮影がしたい、そんな時にこのアプリが大活躍なのです。

撮影方法もかんたん。上の写真の撮影方法は、

  1. カメラを三脚に固定して、アングルを決める
  2. スマホとカメラをBluetoothまたはWi-Fiで接続する
  3. ライブビューでスマホ画面を確認しながら被写体位置決め
  4. セルフタイマーに設定してリモートシャッターを切り、ポージング

撮った写真はそのままスマホに保存されるので、シェアもかんたん。これなら一人旅でもさくさく記念撮影ができるので撮影の幅が広がります。

遠くの景色もぐっと圧縮した撮影で一枚に収める

次に「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」付け替えて少し遠くの景色と一緒にひまわり畑を撮影。望遠レンズ特有の圧縮効果により、先ほどの60mmのマクロレンズと比べても、より被写体同士が密集しているように感じられます。

35mm換算で180mm相当の撮影が可能なので、距離のある背景の山をぐっとメインの被写体に近づけた仕上がりに。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/1250秒, F3.5, ISO 80

お花畑は立ち入り場所が限られているので、撮影ポイントによっては咲いている様子がスカスカになってしまったり、他の見学者が映り込んでしまったりする事も多くあるけど望遠〜中望遠のレンズで撮影すれば不要な被写体の写り込みを気にせず撮影する事もできるのでとてもおすすめです。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/2000秒, F3.5, ISO 80

望遠になればなるほど手ぶれが気になる事が多いですが、「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」は対応するカメラボディーとレンズ内の手ぶれ補正が協調して手ぶれを抑える、5軸シンクロ手ぶれ補正に対応。補正効果はなんと最大7段相当!シフトぶれ補正も強化された高性能手ぶれ補正のおかげで、お散歩中に不意に見つけた動く被写体の撮影でも失敗が少なく安心して撮影に挑めます。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/2000秒, F3.5, ISO 80

お気に入りの1本を探して。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/8000秒, F3.5, ISO 1600

中央のつぼみにピントを合わせて撮影。F値は開放の3.5ですが、マクロレンズはピント位置がとても難しく、写真を拡大してみると、周辺の蕊(しべ)や花の層など、ピントの合っている範囲がとても狭い事がわかります。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/200秒, F3.5, ISO 80

蟻やとんぼや蜂など、突然の来客に出会うことも。
マクロ撮影には手ぶれが付き物なのでこれらの機能が強いレンズは撮影の味方になること間違いなし。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/400秒, F3.5, ISO 80

お花畑は屋外なので風などのコントロールが不可能です。ひまわりは花の顔が大きいので比較的撮影がしやすく、茎の細い花と比べれば風の影響も少ないので、被写体ぶれも比較的穏やか。とはいえこの日は強めの風が吹いていたためシャッタースピードをできるだけ上げて撮影を行いました。被写体ぶれには注意しましょう。

まあるい雫にひまわりを閉じ込めるマクロ撮影

マクロ撮影でいちばんお気に入りの雫撮影。
花弁に乗るくらいの小さな水滴の中にひまわりの花を反射させ、その水滴の中の花にピントを合わせて撮影します。

「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」はマクロ撮影で特に気になる色収差を抑えピントの合った主被写体を高画質に再現することに加え、ぼけの色にじみを極限までおさえたきれいなぼけ表現ができる優れたレンズ。

35mm換算で撮影倍率約4倍の撮影が可能!肉眼では確認できない世界に触れる事ができるのです。このレンズで覗くだけで普段眺めている世界が全く違う世界として現れる、素晴らしい。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/10秒, F5.0, ISO 200

OM-1 Mark IIやOM-3などのカメラには最大約8,000万画素相当の高画質低ノイズの画像合成によるハイレゾショット機能が搭載されています。トリミングなど撮影後に構図を調整したい場合は、ハイレゾショット機能を有効活用するのがおすすめです。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/10秒, F5.0, ISO 200
三脚ハイレゾショット

雫撮影はとてもかんたんですが、最大の難関は水滴の玉を作るところ。
これはまんまるの水滴ができた瞬間なのですが、針スポイトでとても少量の水滴を花弁に乗せました。コツは、

  • 水を弾く元気な花を選ぶ
    ひまわりやガーベラなど、短く毛羽立った花など。葉でも◎
  • 三脚を活用する
    カメラを固定して、電子シャッターやセルフタイマー等を使いあらゆるぶれを防ぐ
  • 無風の環境を作る
    まずは室内で無風空間を作ってテスト撮影して屋外でチャレンジするといいかも

この写真は、雫の水分が多いので雫の形が完全なまんまるではなく、少し歪んでいます。雫が大きくなると歪みやすく、反射する花も歪んで見えピントが甘くなりがちです。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 2.5秒, F22, ISO 400

マクロ撮影の際はレンズは絞れるだけ絞ってピントの幅を広げてあげると失敗が少ないです。雫と雫の中の花にピントを合わせたかったので、F値を最大22まで絞る事で雫の輪郭はしっかり、背景はぼんやりと花の存在が見える仕上がりに。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1/2秒, F10, ISO 200
三脚ハイレゾショット

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 2秒, F22, ISO 400
三脚ハイレゾショット

雫を花弁に並べて。雫と雫の距離は3mmほどですが、マクロ撮影になると少しの差でもピントが合わなくなるので、いくつかの雫を撮影する場合は全体にピントが合う位置まで離れて撮影して、後からクロップすると間違い無いです。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 2.5秒, F22, ISO 200

お気に入りの一枚が撮れるまでいつまでもファインダーを覗いてしまうマクロ撮影。遠くまで旅に出なくても、花一輪だけで新しい世界を覗いているような不思議な気持ちになれるところがとても魅力的なのです。

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*, Mモード, 1.3秒, F22, ISO 400

さいごに

マクロレンズを使った撮影、いかがでしたか。近接撮影はもちろん、普段使いにも使いやすく一本あれば表現の幅が広がること間違いなし。いつも眺めている他愛無い景色もマクロレンズを通して覗いてみると、新しい発見が待ち受けているかもしれません。旅に連れていくもよし、おうちにおこもりしてマクロの世界に没頭するもよし。あなたも一緒にマクロレンズの魅力にどっぷりと浸かってみませんか。

*35mm判換算値

6151

6151

何気ない日常の光景が特別に見えるような、青を生かした写真の世界観が人気を集めるフォトグラファー。Instagramのフォロワー数は12万人を超える。

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