はじめに
冬の初めになり、街はイルミネーションに美しく飾られます。
パーティーに出かけるような楽しいムードで、カメラを持って出かけましょう。
そんな街を美しく撮るためのテクニックをみてみます。
1 ホワイトバランス(色味の設定)
標準の設定のままでも十分にきれいに撮れるのですが、WB(以下ホワイトバランス)の設定で色合いを変えることができます。見た目に近い正しい色合いを再現することも大切ですが、その場で感じた色をカメラで表現するのもいいです。
2 シャッタースピード
本来、シャッタースピードは撮影モードをSモードやMモードに設定して値を変更しますが、今回はAモード(絞り優先)で撮影した場合のシャッタースピードの値に注目します。夜ですのでシャッタースピードが遅くなり手ぶれが起こりがちになるので、ISO感度を上げて手ぶれしないように対応します。
ただ早すぎるシャッタースピードでは、フリッカー現象といわれる写真が部分的に暗くなることが起こる場合があります。カメラの機構上の問題ですが、照明の種類によっても起こるシャッタースピードが異なりますが、1/125秒以下の遅いシャッタースピードに設定すると、フリッカー現象は起こりにくいです。
撮影して再生確認をしながら撮影をしてみてください。拡大することも忘れずに。
イルミネーション撮影では、少し遅めのシャッタースピードがおすすめです。というのもイルミネーションのイベントが催される会場には多くの来場者があり、顔がはっきりと写っているのはあまり良くありません。SNSなどに写真をアップする際に肖像権が気になるところです。OM SYSTEMのカメラは強力な手ぶれ補正のおかげで、遅めのシャッタースピードでも、手ぶれを気にせずに撮影する事ができますね。
3 絞り値(F値)の設定
本来、絞り値の変更は撮影モードをAモードやMモードに設定して値を変更しますが、今回はAモード(絞り優先)で撮影する場合についてご紹介いたします。絞り値によってボケ量が変わりますが、絞り値を開放に近くする(小さくする)ほどボケて背景の玉ボケも大きくなります。一方、絞りの数値を大きくするほどピントが合って見える幅も広がり、背景にある点光源(イルミネーションの電球など)の周りには光芒(光条)が起こります。この光芒はレンズ内にある絞り羽に光が回り込む現象ですが、これもイルミネーション撮影において有効な表現の1つです。ただAモードに設定して絞りの数値を大きくする、絞った設定ではシャッタースピードが遅めになるので、そうならないようにISO感度を上げて対応します。
4 レンズ選び
背景などを綺麗にぼかした写真を撮影したい場合は、広角レンズよりも望遠レンズの方がボケる量が大きく、背景の玉ボケも望遠レンズの方が大きくなります。複数お持ちの方は、同じ構図でもレンズ交換をしたり、距離を変えたりして色々と試してみましょう。
5 多重露出撮影・アートフィルター撮影
イルミネーション撮影でよく使われる多重露出撮影。複数枚の写真を1枚にする手法なのですが、メニューから多重露出を設定し、ピント合わせをマニュアルフォーカスにします。
1枚目を大きくピントを外して全体がボケた写真を撮影し、2枚目にピントを合わせた撮影、2枚の写真が重なって一枚の写真になると、ピントを合わせたところの周りに玉ボケが重なって幻想的な写真が出来上がります。
OM SYSTEMのカメラには、アートフィルターという撮影モードがあります。その機能の中から「ファンタジックフォーカス」を選択してみます。
まとめ
風景として広めにイルミネーションの街を撮影するなら、夜遅い時間よりも陽が沈んですぐの時間帯の方が、空の色も夕日のオレンジや青味がった空を写すこともできるのでおすすめです。イルミネーション撮影に出かける際には、寒さ対策に気をつけましょう。
またカメラは低温では暖かい場所よりも電池の減りが早くなります。スペアの電池を服のポケットなど体温が伝わるよう保温をしながら保持します。では準備を整えてイルミネーションを撮りに出かけてみましょう。
*35mm判換算値