はじめに
暑い夏が終わって過ごしやすくなる秋は、じっくりと撮影に取り組むのに最適な季節。
でも、春や夏と比べて花の種類も数も少なく感じるかもしれませんね。
確かに桜やひまわりのように華やかで目立つ「スター」のような花は少ないですが、フィールドに出てよ~く観察してみると、案外たくさんの花たちが咲いているのを見つけることができますよ。
派手さはないけど個性的な花も多いこの季節。マクロレンズでクローズアップしたり、ボケを活かしたり、そんなひと味違う作品づくりを楽しみましょう!
1 絞り開放の大きなボケを活かそう
秋のバラは春とはまた違った趣があります。小ぶりですがしっとり大人の雰囲気を漂わせているようです。
そんなバラが一番美しいのは、咲き始めのころ。花びらが少しずつ開きかけた姿に生命力を感じます。
2 心惹かれた部分をクローズアップしよう
花の写真は、花全体の姿を写して何の花かわかるように撮らないといけないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
でもそんなことは全く気にする必要ありません。面白いなと感じたり、かわいいなと感じたり、なんとなく心にひっかかったり。そんな部分を見つけたら、遠慮なくその部分だけをクローズアップで切り撮りましょう。
ここまでクローズアップすると何の花なのかわからなくなりますが、それでよいのです。心を動かされ、見せたい、伝えたいと思ったのは、「◯◯の花」ではなく「ちょこんと顔を出した可愛らしいシベ」なのですから。
3 大きなボケで幻想的なイメージを
4 前ボケを活かして撮ろう
5 いろいろな角度から見てみよう
花の特徴を捉えて撮ることは大切ですが、いつも同じように撮っていてはマンネリになってしまいます。
一つの花をいろいろな角度から観察することを意識してみましょう。いつもの見方を少し変えると、また違った姿が見えてきますよ。
6 雨の日は撮影日和
雨降りの日は撮影に出かけるのも億劫になりますよね。でも、実は雨の日こそ撮影日和!僕は雨が降ったらルンルン気分で出かけています。体とカメラバッグはしっかりレインウエアで雨を防御しますが、カメラはそのまま。雨に濡れても気にせず手持ちでガンガン撮影します。
「濡れたらカメラが故障するのでは……?」と心配になるかもしれませんが、そこはOM SYSTEM。全てではありませんが、OM SYSTEMのカメラとレンズには強力な防塵・防滴性能が搭載されていますので、多少の雨の中での撮影もへっちゃらです。
なお、雨に濡れたカメラやレンズは後でしっかり水分を拭き取って乾燥させましょう。防塵・防滴性能とはいえ、カメラ内部に水分が入ってしまうと故障の原因になります。撮影中にカメラが濡れるのがどうしても気になる方は、カメラの上にタオルを掛けてあげるだけでもぜんぜん違いますよ。
7 ユーモラスな虫たちも絶好の被写体
この時期はいろいろな虫たちとの出合いもあります。虫を見つけたら慌てて動かず「何も危害は加えませんよ~」とアピールしましょう!
そうやって安心させてあげると、ちょっと近づいても逃げずに撮らせてくれるようになりますよ。
8 人工物も工夫して活かそう
撮りたい主役があるのに、背景や手前に人工物があって邪魔……。そんな経験、きっとあるかと思います。
でも工夫次第ではうまく活用して絵作りに活かせることもありますよ。
9 望遠ズームレンズで切り撮ろう
ここはマクロレンズではなく、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの望遠ズームレンズを使っています。このズームレンズの望遠端、長い焦点距離(300mm相当*)を使うことで前ボケが大きく薄くなり、このように霧が広がったようなイメージになります。
望遠ズームレンズを使った理由はもうひとつ、コキアのすぐ上にあるベンチを画面に入れたくなかったからです。人工物が入ってしまうと一瞬にして現実感が出てイメージが変わってしまいますので、余計なものが入らないようギリギリのフレーミングをするために望遠ズームレンズを選びました。
10 逆光で紅葉を輝かせよう
最後に
マクロレンズはなんと言っても近づいて大きくクローズアップ撮影できるところが魅力です。でもただ大きく撮るだけでは物足りなくなるもの。
近づくことで得られる大きなボケをうまく活かして、肉眼では見られない自分だけの世界を作れることが最大の面白さです。
夏から秋、そして初冬に移り変わるこの季節は、彩りがどんどん変化していきます。
そんな季節の変化を取り入れることも意識しながらマクロ撮影を楽しみましょう!
*35mm判換算値