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写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

OM SYSTEMの機材で撮る小さな秋

写真家 清家 道子

撮影・解説 : 写真家 清家 道子

2024年9月公開

カメラアイコン記事内で使用した
レンズをご紹介

「身近な秋の風景をマクロ撮影で楽しもう」

暑い夏も終わり。そろそろ秋の撮影が楽しい時期になりましたね。
秋といえば紅葉ですが、秋の小さな風景を見つけて撮るのもとても楽しいです。

OM SYSTEMの機材はコンパクトでとても軽いので、お気に入りのレンズをつけて山や森などを散策して、目についた小さな風景を切り取ってみましょう。

最短撮影距離ギリギリまで近づくと、今までとは違う被写体の魅力を知ることができます。

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

紅葉の名所に行くという事もありますが、私はマクロレンズをつけて小さな風景を見つけて撮る事も多いです。
カメラを片手にのんびりと森を歩くと普段見過ごしているようなものにも目を向けることができます。
これは足元に落ちていた枯れ葉を撮ったものですが、葉っぱについた小さな水滴まで綺麗に写っていますね。枯れてしまった葉の葉脈がこんなに美しいという事をマクロレンズは教えてくれました。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F4.0 1/80秒 ISO 100

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

秋の森歩きで楽しみな事の一つはこのようなキノコ類を見つけること。街に住んでいるとなかなか見る事ができない種類を見ることも多いです。
マクロレンズは寄って撮るだけではなく、俯瞰して全体を撮ることもできるので一本でさまざまな撮り方ができます。これはホワイトバランス設定を太陽光にして、キノコの青みを強調しました。
森歩きでは手ぶれ補正を「ON」にして、全て手持ち撮影しています。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F5.0 1/50秒 ISO 100

目線を低くする

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

マクロにぴったりの被写体を見つけるポイントは目線を低くする事です。歩いていると気づかなかったものでもしゃがんで見ると、マクロ撮影したくなる被写体がたくさんあります。
ゆっくりと散策しながら魅力的な被写体を探してみましょう。
これは苔の上に綺麗な落ち葉が落ちていたのをマクロレンズで撮影したものです。マクロ撮影するときに難しいのはピントをどこに合わせるかですね。これはピントを葉っぱの中央に合わせ葉っぱの存在感と色味の美しさを出しました。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F5.6 1/160秒 ISO 400

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

紅葉を撮影するときは広角レンズや標準レンズを使用することが多いと思いますが、マクロレンズで撮ってみるとこれまでと違う表現になることがあります。
M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROは、口径食が少なくきれいな円形ボケができるので、紅葉の見頃を過ぎた時期でしたが一枚だけ綺麗な紅葉を見つけて背景をぼかして撮影し、晩秋の季節を楽しむ事ができました。

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*
Mモード F3.5 1/640秒 ISO 640

光の方向を意識する

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

私はマクロ撮影する時にも必ず光の方向を意識します。
このようにススキをマクロレンズで撮影するときは逆光で撮ることで背景の円ボケを表現しやすく、またススキの種子が透過光になり透明感を出す事ができます。輪郭も輝き、ススキの魅力を最大限に表現できますね。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/6400秒 ISO 400

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

これは近所の神社で見つけた小さな葉っぱです。
普段は通り過ぎるだけの風景もマクロレンズを使えば小さな発見があり楽しいです。太陽が傾き少し黄色くなった葉っぱの色を透過光で美しく見せていました。ここでも逆光を利用し、ピントは葉っぱに合わせ背景の円ボケを意識しながらシャッターを押しました。名も知らない素朴な葉っぱも、レンズを通して秋の季節の主役のように存在感を出していますね。蔦のラインも可愛いです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F3.5 1/320秒 ISO 80

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

私は蜘蛛の巣を撮ることも多く、いつもは朝のできたて?の蜘蛛の巣を狙います。神社で見つけたちょっとボロボロになった蜘蛛の巣が晩秋の雰囲気ととても似合っていて、まるで割れたガラスの模様のようにも見えました。実はこの日の紅葉はすっかり終わりかけていてあまり美しいとは言えなかったのですが、この蜘蛛の巣にピントを合わせて背景の紅葉をぼかして色だけを残すことで、晩秋ながらも印象的な紅葉の表現になったかなと思います。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F3.5 1/800秒 ISO 80

晩秋を表現する

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

秋といえばオレンジ色や赤色を思い浮かべますがこのように枯れた草のシルエットだけでも晩秋を表現できます。湖畔の草はすっかりと枯れていて太陽の光や水面がキラキラと輝いていたので、マクロレンズを使い絞り値を開放にして無数の円ボケと草のシルエットを組み合わせました。ほぼモノクロに近い表現ですが、こういう晩秋の表現もありますね。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/3200秒 ISO 80

写真家 清家 道子がM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した秋の写真

こんな色合いも秋ならではです。これは水面に落ちた一枚の葉っぱをM.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROで接写して撮ったものです。このM.ZUIKO PROレンズは最短撮影距離(撮像面より)約20cmで被写体に近接してマクロ撮影することが可能なのでさまざまなシーンでよく使うレンズです。このレンズならではの透明感で水のゆらめく雰囲気と葉っぱの絶妙な色合いがとてもよく描けたと思います。

M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
34mm相当*
Aモード F5.0 1/125秒 ISO 640 +3.0 EV

まとめ

秋の季節は上を見上げて綺麗な紅葉ばかり求めてしまいますが、実は足元にも魅力的な被写体が多くあります。とりわけ小さな被写体ほどマクロ撮影に向いています。
のんびりと散策しながら魅力的な被写体を見つけ、マクロ撮影を楽しんでくださいね。

*35mm判換算焦点距離

清家 道子

写真家 清家 道子

福岡生まれ。カラーコーディネーターを経て風景写真家となり、九州を中心に撮影活動している。現在企業カレンダーを手がける他写真雑誌への寄稿、カメラメーカーでの講演、撮影会などを行っている。
写真展
2016年「またまの宇宙」をリコーイメージングスクエア
2020年「純色風景」ソニーストア
2022年「光の記憶」ソニーストア
2024年「水の惑星」OMシステムギャラリー
写真集
2016年「またまの宇宙」(日本写真企画)
2017年「TheGiftOfRanunculus」(風景写真出版)
著書
「美しい風景写真のマイルール」 インプレス
「極上の風景写真フィルターブック 日本写真企画
2020年よりYouTube 清家道子チャンネルで風景写真、風景ショートムービーなどを配信中。
OM SYSTEM seminars Speakers
JPS日本写真家教会会員

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