カメラアイコンPhoto Recipe(フォトレシピ)

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

水中でマクロ撮影をしてみよう!

写真家 むらいさち

撮影・解説 : 写真家 むらいさち

2024年6月公開

カメラアイコン記事内で使用した
レンズをご紹介

水中でマクロ撮影をしてみよう!

みなさんこんにちは! ゆるふわ写真家のむらいさちです。
いよいよ暑い夏がやってきますね!「今年こそは水中写真に挑戦したい!」という方も多いはずです。海の中は陸上とは全く違う異世界、見たことのない生き物、地上にはない美しい色彩やデザインなど、30年潜っている僕でも興味が尽きません。そんな世界を、一人でも多くの方に見てもらいたいと、日々活動しています。今回はそんな海の不思議・美しい・可愛い、そんな生物をご紹介できたらと思っています。
幸いなことに、OM SYSTEMの各デジタル一眼カメラには、水中機材メーカーよりハウジング(防水ケース)も発売されており、今お使いのカメラですぐに水中の世界を覗くことができます。
それでは、写真を交えて、水中マクロ写真の世界をご紹介していこうと思います。

どんな機材で撮影するのか?

使用機材:カメラ:OM SYSTEM OM-1/レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mmF2.8 Macro/水中機材:ハウジング:AOI UH-OM1/水中ストロボ:AOI UCS-Q1-RC

使用機材
カメラ:OM SYSTEM OM-1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

水中機材
ハウジング: AOI UH-OM1
水中ストロボ:AOI UCS-Q1-RC

このセットは、水中マクロ撮影のとてもシンプルなセットです。でも、これだけあれば撮影は十分可能です。とても軽くてコンパクトなのも特徴です。
カメラは、OM SYSTEM OM-1、レンズは焦点距離60mm(35mm判換算で120mm相当)、F値が2. 8と明るいマクロレンズを使用しています。
それに、ハウジングと水中ストロボを2灯つけています。

1 水中モードを使ってみる

水中写真の一番の難しいところは、カメラと被写体の間に水の層があることだと思います。陸上では空気は無色透明なので何キロ先でも視認することが可能ですが、水中ではそうはいきません。時に透明度1mの日もあれば、見えても30mほどが限界です。とうぜん写真にも大きな影響を及ぼします。簡単に言えば、海の青い色が写真に被ってきて、色味を失わせてしまいます。それを補正するために、OM SYSTEMのカメラにはホワイトバランスやピクチャーモードの中に、水中撮影向けの設定「水中」が入っています。このモードを使うことによって海の青を補正してくれたり、色を鮮やかにしてくれたりします。水中写真を撮らない方はほぼ知らない機能かもしれません(笑)。

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroのホワイトバランス:AUTOで撮影した水中の写真

ホワイトバランス:AUTO
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/60秒 ISO 80

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroのホワイトバランス:水中で撮影した水中の写真

ホワイトバランス:水中
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/125秒 ISO 80

2 水中ストロボを使ってみる

水中ホワイトバランスはとても素晴らしいのですが、それでも水深が深くなると青みがさらに強くなり補正しきれなくなります。そして被写体の美しい色を再現しようと思うならば、ストロボが必要になってきます。なかなか陸上の撮影ではストロボは使いませんが、水中撮影では必須アイテムになります。目で見ると色が無いように見える被写体も、ストロボで本来もっている生物の色を再現してあげると、驚くような色が出たりします。そんな驚きも水中写真の楽しみの一つです。

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/100秒 ISO 500

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/50秒 ISO 500

3 かわいいお魚を撮影してみよう

水中では、水の他にも撮影に影響を及ぼすものがあります。タンクの中にある空気の残量によって潜れる時間も変わりますし、流れがあったり、波の影響で身体が安定しなかったり等々・・・。その中で撮れる被写体を探してカメラを向けます。当然動きの速い被写体より、動かない被写体のほうが撮影はしやすいです。そして寄れば寄るほど写真はクリアに写ります。頑張ってアプローチしてみましょう。始められたばかりのかたは、まずは動きの少ない被写体を撮影してみましょう。

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/30秒 ISO 320

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/200秒 ISO 250

4 海の宝石、ウミウシを撮影してみよう

海の中にはお魚以外にもたくさんの生物が住んでいます。その中でウミウシの美しさは格別です。種類がとても多く、それぞれの色彩が独特で、「どうしてこんなデザインになったのだろう?」といつも不思議に思います。ダイバーの中には、まだ見ぬウミウシを求めて世界各地に潜りに行く方も多くいます。その形の面白さ、色彩にきっと魅了されるのでしょう。

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/100秒 ISO 640

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/40秒 ISO 500

5 美しいエビを撮影してみよう

海の中には、エビやカニもたくさん生息しています。ですが、僕らの想像するエビやカニを超えてくるフォトジェニックな子たちもたくさんいます。なぜこうやって進化したのか? 海の中は不思議に溢れていて、だからこそ楽しいのです。
生物を撮影するときは、目にしっかりピントを合わせないといけません。甲殻類は目がどこにあるのかがとても分かりづらいので、しっかり見極めてから撮影しましょう。

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/80秒 ISO 320

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/25秒 ISO 320

6 水中のお花を撮影してみよう!

水中にもお花は咲いているのです。と、言っても本物ではなく、サンゴであったり、海藻だったり生物なのです。マクロレンズでクローズアップしてみると、よりお花に見えてきますよね? 小さい生き物が多い水中では、マクロレンズが大活躍します。僕が撮影の際によく使用するマクロレンズの焦点距離は60mm(120mm相当*)ですが、OM SYSTEMのマクロレンズには30mm(60mm相当*)や、90mm(180mm相当*)のマクロレンズもあるので、マクロレンズレンズを変えるとまた見える世界も変わっていきます。

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/40秒 ISO 200

写真家 むらいさちがM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影した水中の写真

レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*
Mモード F2.8 1/80秒 ISO 200

さいごに

今回の作品は、すべてマクロレンズで撮影したものです。海はとても広く、まだまだ未知の部分も多いです。それが、僕がずっと水中写真を続けている理由かもしれません。こんなにわくわくさせてくれるフィールドは他にありません。今回は水中のマクロレンズで撮影できる被写体をご紹介しました。皆さんの心に残る生物はいましたか? もし興味を持っていただけたなら、ぜひ今年はスキューバダイビングを、水中写真を始めてみてはどうでしょう? 僕と同様に、皆さんの人生がさらに楽しくなること間違いありません。
世界でも、水中写真を意識してカメラを作ってくれているのは、OM SYSTEMだけだと思います。OM SYSTEMのカメラはコンパクトで軽量です。これが水中ではほんとに助かっています。
いつか、これを見てくれた誰かと一緒に海に潜るのを楽しみにしています。

*35mm判換算焦点距離

ゆるふわ写真家 むらいさち

ゆるふわ写真家 むらいさち

沖縄県座間味村観光大使
沖縄でのダイビングガイドを経て写真の世界へ。
水中から、夜空の星までボーダレスに、心が動いた被写体に素直にカメラを向けている。明るくてふんわりとした、独自のゆるふわ写真を撮り続けている。
2024年5月に写真家活動20周年を記念した、水中写真集「FantaSea」をリリース。同時に全国3か所で写真展も開催。
ゆるふわ写真を一緒に勉強するグループ、「写真家むらいさちのふんわりフォトサロン」主宰。

Instagram:https://www.instagram.com/murai_sachi/
Official Site:http://muraisachi.com
ふんわりフォトサロン:写真家むらいさちのふんわりフォトサロン CAMPFIREコミュニティ (camp-fire.jp)

カメラアイコン記事内で使用した
レンズをご紹介

カメラアイコン合わせて読みたい:
フォトレシピ・インタビュー