Photo Recipe(フォトレシピ)
イルミネーションの写真を
美しく撮るための
9つのポイント
2022年11月公開
記事内で使用した
レンズをご紹介
イルミネーションの写真の撮り方の特集記事です。カメラの設定や撮影テクニック、OM SYSTEM独自のアートフィルター機能まで、作例を交えて紹介しています。
クリスマスに向けて毎年街中で盛り上がりを見せるイルミネーション。
この美しいイルミネーションを携帯やスマホで撮るだけではもったいない。
しっかりカメラで美しく撮影したいものです。
でもせっかくカメラで撮影しても出来上がりは、見た目どおりでなかったり、手ぶれや、思い通りの色にならなかったり以外と難しい被写体です。
ちょっとしたコツを覚えるだけで、簡単に見た目以上に美しいイルミネーションを撮影することができるんです。
普通夜景でイルミネーションとなれば、三脚や、演出用のフィルターなどを準備したいところですが、寒い人混みの中では、なかなかそうもいきません。まず手軽に美しくイルミネーションを撮るコツをご紹介しましょう。
1. カメラぶれが起こらないように設定する
カメラモードはP(プログラム)またはA(絞り優先)にセットします。A(絞り優先)では、絞りの数値を小さくセットし、Fで表示される数値を出来るだけ小さくします。
開放F値に近い数値で撮影する方が、光をたくさん取り込むことが出来るので、シャッター速度を速くでき、ぶれを最小限に抑えることができます。
カメラぶれも、手ぶれ補正機能のあるカメラなら暗い場所でも断然有利。
とくに高性能な手ぶれ補正カメラと非搭載カメラでの撮影ではこんなにも差が出てしまうのです。
2. ISO感度を上げる
ISO感度を高い数値に設定し、シャッター速度を早くしてカメラぶれを起こさないようにします。ぶれがないシャッター速度に設定できれば、ファーストステップはOKです。感度を上げすぎると、写真がザラザラしたような粗さが目立ってきますので、ISO感度を上げすぎないよう撮った写真を再生し、ぶれがないようなら、感度を下げながら調整していきます。
3. 色で美しく撮る
デジタルカメラならではの機能ホワイトバランス設定で色味を変えて、その場に合う印象に調整してみましょう。この設定を変更するだけで、まったくイメージの異なる写真になるので、ぜひ試してください。
4. 明るさで美しく撮る
カメラの明るさを変える露出補正を、+1.0程度明るく補正してみましょう。明るくすることによりイルミネーションの煌びやかさが一層引き立ちます。
5. 美しくぼかす
絞りの数値を変化させて、背景をぼかしたり、手前をぼかしたりします。
絞りの数値は、カメラ内ではFで値を表示し、Fの数値を小さくするとピントが合っている場所以外はボケやすくなり、数値を大きくするとピントが合う範囲が広くなります。この効果を使ってポイントを強調したり、全体を柔らかく表現したりします。
6. 美しくぼかす 多重露出
2枚の写真を重ねる多重露出もイルミネーションを美しく見せる手法です。
多重露出を設定し、2回シャッターを押して合成します。次の作例を見ていかがでしょうか?アーティスティックな絵に仕上がりました。
7. フィルターで美しく撮る
レンズに効果を加えるフィルターを取り付けることで、写真に新たな表現を足すことができます。例えばこのクロスフィルターは、キラキラ効果をプラス。他にもイルミネーションに有効な効果を足すことが出来るフィルターが様々あります。
8. アートフィルターで美しく撮る
前述したフィルターも肝心な時に持っていなかったり、付け外しなどが以外と面倒だったりします。最近のカメラにはフィルターの効果をカメラの機能として搭載されている機種が多くあります。OM SYSTEM製のカメラではアートフィルターと呼ばれ、そのたくさんあるフィルターの種類から今回はふんわりした印象になるファンタジックフォーカスと、ファンタジックフォーカス+スターライトの効果でキラキラ感をプラスしてみました。
このように手軽にフィルター効果で写真を演出することができるのもカメラ選びのポイントです。
9. シャッター速度で、美しく撮る
イルミネーションのキレイなところでは人が多いのが通常です。できればあまり主張したくない部分なので遅いシャッター速度で意図的にぶらします。手ぶれをしないギリギリの遅いシャッター速度に設定し、通行する人だけにボケを作ってみましょう。
イルミネーションの撮り方 上級編
標準装備にちょっとプラスするだけで、今まで撮れなかった画像も、ものにすることができます。 先ほどのシャッタースピードをさらに遅い設定にすると、人影もにじみ、通行する車もライトが残るだけになります。 ただこの設定では、長い時間のシャッター速度(長時間露光)に設定しなければならないので三脚が必要になります。
三脚を使う場合は、揺れないようにケーブルレリーズや、リモコンでシャッターを切るようにしましょう。Wi-Fi内蔵したOM SYSTEM製カメラならスマートフォンとアプリ「OI.Share」を使って、シャッターを切ったり、セルフタイマーをセットできるので手ブレ防止には最適です。人混みや寒い時期は軽装備で手軽に撮影できることがポイントです。
さらに長い時間シャッターを開けておくと、車のライトの軌跡が残る写真も撮れます。このようなシーンの撮影は、従来はシャッターを開けっぱなしにし、大体の感で時間を決めるバルブ撮影が主流で、撮影後にしか結果がわからないのが難点でした。
最近のデジタルカメラにはモニターで画像を確認しながらシャッター開閉ができるライブバルブ機能や、明るく変化した部分のみが合成されるコンポジット撮影と言われる機能が搭載されています。
次の作例はシャッター速度5秒間の写真を36枚合成して1枚にする設定で3分間撮影しました。
もちろんカメラが簡単に合成してくれますが、その撮影経過をカメラモニターでチェックできるので安心です。
いかがでしょうか?
一手間かけて、三脚を使えば、人の目には見えないような表現が出来ます。ぜひトライしてみてください。
イルミネーションの撮り方 番外編
玉ボケを撮る
背景に写る玉ボケといわれる丸いボケは、ライトのひとつひとつが丸くピントがボケたものですが、大口径といわれる明るいレンズで作りやすくなります。
薄暮の頃に撮る
イルミネーションを撮るのは真っ暗になってからと思われがちですが、日が沈んだ頃、まだ空に少し明るさの残る薄暮の頃に撮ると、イルミネーションと街並みが調和し柔らかなコントラストになります。
あえてピントをはずす
ピントを手動にして、あえてピントをずらすとたくさんの玉ボケが現れます。所謂ピンボケ写真ですが、背景や多重露光などに使用したりファンタジックな感を演出することができます。