Photo Recipe(フォトレシピ)
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秋を感じる風景を撮りにでかけよう
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撮影・解説 : 喜多 規子
2022年9月公開
記事内で使用した
レンズをご紹介
感動の紅葉写真を収めよう!
まもなく紅葉シーズンが到来!⽬で⾒た感動を写真に収め、記憶としても残したい⽅も多いのはないでしょうか。⽇本は南北に⻑いため、早いところでは9 ⽉下旬ごろから紅葉のピークを迎え、平地のような遅いところでは12⽉上旬ごろまで楽しむことができます。今回は秋を感じる⾵景を撮影する際の参考になるポイントをいくつかお伝えしたいと思います。
ポイント1:⼭肌の紅葉を切り取る。
標⾼の⾼い⼭にドライブに出かけると⼭肌の紅葉の美しさに⾒惚れます。まずは広い画角の構図で撮ってみて、その後は望遠レンズで風景の一部分を縦や横で切り撮ってみると良いです。何かポイントになる⽊を画⾯の中に⼊れることでバランスの良い構図を保つことができます。
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⾚の⾊づきがとても美しかったので、右の常緑樹をポイントにして作画しました。ここでは柔らかいフラットな光を使い、PLフィルターを使って葉っぱのテカリを調整することで⾊鮮やかに描写することができました。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
300mm相当※
Aモード F8.0 1/100秒 ISO 200 1.3EV
PLフィルター
ポイント2:⽊の並びに注意。
⾊づいた紅葉を撮影する際には⽊の並びに注意すると良いでしょう。⽊々が重なってしまうとどうしても重たく⾒えてしまいます。ちょっとした⼼がけでより美しい森を描くことができます。
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⼿前の⾊鮮やかな低⽊の紅葉とブナの森を捉えました。ブナの並びが重ならない⽴ち位置から撮影しました。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
94mm相当※
Aモード F5.6 1/10秒 ISO 200 -1.0EV
三脚ハイレゾショット
ポイント3:空を⾒上げる。
樹形のカッコ良い⽊を⾒つけたら、超広⾓レンズを使って幹に近づき、空に向けて撮ってみるのも⼀つの表現⽅法です。その時に気をつけたいのが、⽩い空に⾊づいた葉っぱを埋め尽くすように⼊れることです。
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超広⾓レンズを使ってモミジの⽊を空に向けて撮影しました。空に⽩い部分を作らないように葉っぱの配置に注意します。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
22mm相当※
Aモード F8.0 1/25秒 ISO 800 +0.3EV
手持ちハイレゾショット
ポイント4:⾜元の紅葉
⾜元にも紅葉が広がっています。空を⾒上げた後は⾜元の紅葉にも⽬を向けてみると、⾃分だけの⾵景が⾒つかります。
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⽊道を歩いている時に⾒つけた倒れた草と絡んだ草紅葉の⾵景。⾬に濡れてしっとりとしていました。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
50mm相当※
Aモード F8.0 1/200秒 ISO 400 -1.7EV
三脚ハイレゾショット
ポイント5:紅葉の時期にお気に⼊りの滝に⾏ってみよう!
春から夏にかけては滝の周りが緑⼀⾊で爽やかですが、秋になると⾚や⻩⾊、オレンジと⾊づきとても鮮やかです。
滝の流れをスローシャッターで表現しています。OM SYSTEMには、カメラ内にライブND機能を搭載したカメラもあり、フィルターを装着できないレンズでもNDフィルター効果を表現できるのでとても便利です。
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レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
68mm相当※
Aモード F8.0 1秒 ISO 200 -1.7EV
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レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II
58mm相当※
Mモード F5.6 2.5秒 ISO 200
ライブND(ND64)
ポイント6:湖や沼でシンメトリーに表現してみる。
⾵がない湖や沼では⽔⾯が鏡のようになるので、シンメトリーに映り込みます。
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ヌケが良く、⽐較的⾵が少ない午前中が狙い⽬です。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II
38mm相当※
Mモード F5.6 1/160秒 ISO 200
ポイント7:⽔の反射を狙ってみる
晴れた⻘空の⽇には、浅瀬の川に対岸の紅葉した⽊々と⻘空の⾊が映り込んでとても美しいです。落ち葉などをポイントにして映り込みの⾊を表現するとワンランクアップした作品に仕上がります。
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⽔⾯にはオレンジ⾊の紅葉と⻘空が⾊鮮やかに映り込みました。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
339mm相当※
Mモード F8.0 1/2秒 ISO 200
ポイント8:落ち葉をクローズアップ。
望遠レンズで枝や蜘蛛の巣などに引っかかったモミジの葉っぱを望遠レンズで捉えてみましょう。背景の⾊やボケにこだわると素敵な作品に仕上がります。わざわざ遠くに⾏かなくても⾝近な場所で作品創りができます。
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絞り値をF2.8と開放にすることで柔らかいボケ感が得られました。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
240mm相当※
Aモード F2.8 1/15秒 ISO 200
ポイント9:⽔⾯に落ちた葉もフォトジェニック
⽔溜りや浅瀬の⽔⾯に落ちた葉に着眼し、⽔⾯に浮かんだ表⾯張⼒を捉えてみましょう。
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被写体とレンズ先端までの最短撮影距離が短いレンズを選ぶと撮影しやすいです。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
172mm相当※
Aモード F5.6 1/20秒 ISO 400
手持ちハイレゾショット
ポイント10:ハイキー調に仕上げてみる
柔らかい光で撮影された作品は、時には意図的に露出をオーバー気味としたハイキー調に仕上げてみても良いです。
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爽やかな秋をイメージできる作品に仕上がります。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
88mm相当※
Aモード F8.0 1/8秒 ISO 800 -0.7EV
まとめ
ステップ1から10まで様々な撮影⽅法をお伝えしてきましたが、誰でも簡単に真似できるものばかりなので早速トライしてみてください。秋を感じる作品創りのヒントになると嬉しいです。
※35mm判換算焦点距離
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喜多 規子(きた のりこ)
東洋英和女学院大学卒。写真家、前川彰一氏に師事。日本国内の自然風景をテーマに光・色・フォルムを巧みに操り表現する。アマチュア時代、多数のカメラ誌の月例コンテストにてグランプリや年度賞を受賞し、フリーとして活動を始める。
2019年、個展『MOMENT』(富士フイルムフォトサロン東京・大阪・名古屋・福岡・札幌)開催。
2020年『栞―four seasons―』(旧オリンパスプラザ東京・大阪)開催。
2022年『FORME(フォルム)』(OM SYSTEM GALLERY)開催。
写真集に『MOMENT 』(文一総合出版)・『FORME』(風景写真出版)、共著に『美しい風景写真のマイルール』(インプレス)・『極上の風景写真フィルターブック』(日本写真企画)がある。
『喜多規子フォトスクール』主宰。
公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。
公益社団法人日本写真協会(PSJ)会員。