Photo Recipe(フォトレシピ)
OM SYSTEMで撮影する京都の街並み~夏~
2022年8月公開
記事内で使用した
カメラとレンズをご紹介
京都の風景とOM SYSTEM
今回の被写体は、京都の風景です。京都を撮るにあたってカメラ選びで重要なポイントがあります。それは「三脚(一脚)NG」「フラッシュNG」への対応です。京都の建物や庭園の多くが文化財で、文化財保護の観点から三脚・フラッシュが多くの場所で使えません。その時に大活躍するのが「手振れ補正」です。OM SYSTEMには強力な手振れ補正機能があり、私もOM SYSTEMを選んだ大きな理由になっています。OM SYSTEMで京都のカッコいい写真をバシバシ撮りに行きましょう。
Instagramでの写真投稿のポイント
今回のシリーズでは、京都や関西の撮影スポットやInstagramでの写真投稿のポイントをご紹介します。
Instagramの利用方法・目的は人それぞれだと思います。好きな食べ物を探したい、かっこいいモノ・かわいいモノが観たい、綺麗な風景で癒されたい、などなど。今回はInstagramで「いいね」や「フォロワー」を増やしたいといった方向けに参考となる写真投稿のポイントをご紹介します。
- 「テーマを明確に」
先ず始めに大事なのがギャラリーのテーマを明確にする事です。あれこれ色んな写真を投稿すると見る側からすると何を情報発信してくれる人か分からないです。「この人はこういう写真」「この人はこういう情報」と分かりやすくなっていれば、好みに応じて選んでくれるようになります。統一感のあるギャラリーを目指しましょう。 - 「素敵な被写体」
映える写真、エモい写真を撮るには、写真を撮る対象、被写体が重要です。「美味しそう」「カッコいい」「美しい」など、テーマに応じた素敵な被写体を探しましょう。 - 「写真はカッコよく」
Instagramは写真や動画が中心なので、何より写真や映像がカッコよくないと見て貰えません。ただカッコいい写真と一言で言ってもどうやったらカッコいい写真が撮れるか、なかなか難しい問題です。構図、カメラ設定、撮った後のレタッチなど、カッコいい写真にするポイントは沢山あります。ここではそれらのポイントをご紹介します。 - 「縦撮りで写真を大きく」
Instagramは基本スマホで見ます。スマホの画面は縦です。「縦撮り」で撮った写真は画面に大きく表示され、見る人にインパクトを与えやすいです。よって私はずっと縦撮りです。縦撮りで如何にカッコいい写真を撮るかをご紹介したいと思います。(今回ご紹介する写真は全て縦撮り写真です)
祇園祭り
2022年に3年ぶりに行なわれた祇園祭。日本の三大祭の一つとされ、ユネスコの無形文化遺産にも指定されています。平安時代に流行した疫病を治める神事が起源とされ、7月の1ヶ月間に渡って様々な行事が行われます。中でも、宵山と山鉾巡行には沢山の人々が訪れ、宵山は夜に提灯が灯り祇園囃子が流れ、山鉾巡行は日中の京都の街を沢山の山鉾が列を成して進みます。それぞれ2回行われ、7月14日~17日が前祭、21日~24日が後祭になります。写真は前祭の宵山と後祭の山鉾巡行の様子です。
宵山は歩行者天国になり、山鉾の直ぐ近くまで人でいっぱいになるため、近影で印象に残った部分を切り撮ったり、逆に遠くから群衆を入れて、活気ある祇園祭の雰囲気を撮りました。撮影時は提灯の文字が白飛びしないよう、ややアンダー気味にとり、レタッチで程よい明るさになるよう仕上げています。
昼間の山鉾巡行は交通規制があり、逆に遠くから撮ることになるため、青空を活かし、低い視線から高く聳える山鉾のスケール感を出しました。また建物と道路を活かし、奥から手前に向けて遠近感が出るような構図にし、奥行きのある山鉾巡行の様子を捉えました。晴天で全体的にコントラストが強めでしたので、レタッチでコントラストを抑えて明暗のバランスを整えました。
貴船
貴船は、京都市の北の山間にあり、鞍馬山の麓にあります。貴船川は鴨川の源流にあたり、貴船神社は古くから水の神様として信仰されています。7月~8月初旬に掛けては七夕笹飾りのライトアップも催されます。
貴船川沿いには沢山の川床料理のお店があり、床を清流の上に張り出し、涼を感じながら鮎や鰻などの料理が楽しめます。そのため、貴船川沿いの参道には川床料理のお店が連なり、夏の川床シーズンは沢山の提灯が並び、情緒溢れる街並みが続きます。
貴船は自然豊かで、夏は新緑、秋は紅葉が美しく、貴船神社へ向かう参道沿いを散策しながらの撮影はとても楽しいです。特に夏は美しい緑で、灯籠、提灯、川床の毛氈などの赤がアクセントとなり、緑と赤を上手く織り交ぜた構図を見つけると素敵な写真が撮れると思います。
※撮影ご協力、川床料理旅館 貴船べにや さん
愛宕念仏寺
愛宕念仏寺は奥嵯峨野にあります。嵐山から歩いて来ると観光客も少なくなりとても静かで自然豊かな所です。境内にはお釈迦様の弟子である羅漢様の像が沢山あります。昭和の後期にお寺の復興事業の一環で一般の方々によって彫られた石像です。羅漢様は一つ一つがとても表情豊かで見ているだけで心が癒されます。
夏に訪れると楓の緑がとても綺麗で、苔生した羅漢様と楓の緑が相まって緑一色の美しい世界を見ることが出来ます。
羅漢様は何方もとても素敵なお顔をされているので、お気に入りの羅漢様を見つけるのが楽しいです。主役の羅漢様を見つけたら絞りを開放にして、惚け感を使って主役が浮かび上がるように撮りました。また楓と苔で緑一色の綺麗な世界なので、少し露出をアンダーに振ってしっとりとした雰囲気で撮りました。
レタッチでは、緑の色合いと光と影の陰影に気を配り、こちらも少し暗めの落ち着いた明るさに仕上げています。
桂春院
妙心寺塔頭 桂春院には「真如の庭」「清浄の庭」「思惟の庭」「侘の庭」と4つの庭園があり、史跡名勝に指定されています。緋毛氈の茶室から見えるのは「侘の庭」です。青紅葉と苔で覆われた庭がとても美しいです。茶室の真ん中には行燈があり、明かりが点いた景色はなんとも風情があります。桂春院ではお願いすれば、茶室でお抹茶とお菓子が頂けます。お抹茶を頂きながらゆっくり庭を眺めていると時が経つのを忘れます。
室内から明るい室外を撮るときは時間帯や天気に気を使います。この日は曇り空で外光が柔らかく撮影しやすかったです。晴れている日は夕方などに撮ると外の景色が白飛びせず良い雰囲気に撮れます。行燈の明かりが照らす畳の質感などが際立つようレタッチで明暗を調整しています。行燈の明かりも実際はもう少し明るかった所を行燈をマスクして少し控えめの明るさに整えています。
柳谷観音楊谷寺
柳谷観音楊谷寺は西山三山のひとつで、京都市の西、長岡京市にあります。地元の人には目の神様として有名で、独鈷水(おこうずい)と言われる眼に御利益のあるお水を頂きに多くの方が訪れます。最近では花手水の発祥の地としても有名です。入り口にある手水舎や境内のあちこちにある手水鉢に四季折々の花をご住職自ら生けられています。紫陽花の名所でもあり、6月には紫陽花ウィークが開催されます。
Instagramに映える花手水は、ピントをどこに置くかがポイントです。お気に入りの花を主役にしてピントを併せると思いますが、手水鉢に竹の注ぎ口がある場合は、水の出る注ぎ口の先にピントを併せると落ち着きのある写真になります。真上からの場合は花にピントを合わせます。私はしっとりした感じが好きですので、少しアンダー目で撮っています。
正寿院
正寿院さんは、京都府の南部、宇治茶で有名な宇治田原町にあります。御本尊は秘仏の十一面観音で50年に一度だけご開扉されます。また国指定重要文化財の快慶作木造不動明王座像があります。
ハートの形をした猪目窓や天井画が美しく若い女性などにとても人気です。天井画は多くの日本画家によって描かれたモノだそうです。夏には風鈴祭りが開かれ、紫陽花、向日葵、秋桜と時期によって違った風鈴が飾られます。
客殿の猪目窓や天井画がとても綺麗ですので、一緒に部屋全体が写るよう、M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO で撮影しました。
風鈴は風鈴が主役ですが、風鈴の短冊に書かれている文字がはっきり写っていると綺麗に見えますので、ピントは短冊に合わせています。奥行きが出るよう絞りを開放にして撮影しています。
番外編:和歌山県 熊野古道と熊野那智大社
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は、熊野本宮と聖地につながる熊野古道で構成されています。古代から中世にかけて熊野三山の信仰が高まり、上皇から庶民にいたるまで多くの人々が熊野を参詣しました。熊野那智大社は、熊野本宮大社、熊野速玉大社とともに熊野三山の一社として、全国約4,000社余ある熊野神社の御本社です。
茅葺の建物は、熊野古道中辺路沿いの継桜王子の近くにあるお茶屋さん「とがのき茶屋」です。現在は観光案内所・休憩所として地元の人が暖かく迎えてくれます。当日もボランティアの方にお茶を頂き、心優しいおもてなしにほっこりしました。
今回、霞みがかった那智の滝を撮ろうと思い敢えて雨の日に訪れました。小雨の中、傘を差しながら熊野那智大社を訪れると期待通り見事に那智の滝に霞が掛かっていました。雨の中での撮影でしたが、実用性のあるIP53の防塵・防滴・耐低温設計で安心して撮影することが出来ました。(本人はズブ濡れでしたが…)霞みがかった神々しい那智の滝に感動しました。