E-M1の弟と言うなかれ!
OM-DシリーズはE-M1を長兄とし、番号が下がるにしたがい弟的な立ち位置のラインナップになっています。今回は次男であるOM-D E-M5 Mark IIIをザックに忍ばせて北アルプス最後の秘境と言われる雲ノ平へ撮影に出掛けてみました。
僕が思う次男OM-D E-M5 Mark IIIの魅力とは、兄の性能やパフォーマンスをそっくりそのまま受け継ぎながら、よりコンパクト&軽量化されたスタイルにあると思います。今回の取材のように登山など歩いて移動する撮影では背負える機材だけしか持ち歩くことができません。だから重量や体積がとても重要なポイントになります。もちろん、苛酷な環境下でもハイパフォーマンスを発揮してくれる信頼性があることもストロングポイントです。ラインナップ的には弟の立ち位置にあるOM-D E-M5 Mark IIIですが、ハイレゾショットやライブコンポジットなどOM-Dを代表する機能をそのままにOM-D E-M1 Mark IIをコンパクトにしたカメラに仕上がっています。小型軽量がもたらす様々な恩恵が作品創りに大きなプラスになることは間違いないでしょう。
- OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
- 焦点距離:300mm相当(35mm判換算)
- シャッター速度:1/40
- 絞り:F8.0
- ISO感度:200
富山県側の登山口「折立」より太郎平小屋に宿泊。近くの太郎山から望む水晶岳。太陽は西の彼方に沈み、辛うじてライトを付けなくても歩ける位の明るさの中で撮影。雲が流れると優しいイメージになってしまうので雲が流れないように絞り・シャッター速度を確認しながら撮影しています。山の質感が重要になる撮影のため、暗い中ですがF8まで絞り込んで撮影を行っています。シャッター速度が遅くなるので三脚を使用しています。
- OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
- 焦点距離:32mm相当(35mm判換算)
- シャッター速度:1/640
- 絞り:F5.6
- ISO感度:200
コバイケイソウは当たり年と裏年があり満開の花園に出会うことは希な高山植物です。今年は運が良く一面に広がるお花畑に出会うことが出来ました。朝日を受けて輝く木道がアクセントになり雲上の花園を撮影することができました。普通に撮影してしまうと明るく写ってしまう状況なので、露出補正をマイナス2まで行い質感が出る撮影を試みています。
- OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
- 焦点距離:76mm相当(35mm判換算)
- シャッター速度:1/400
- 絞り:F8.0
- ISO感度:400
霧が掛かると空間の広さや奥行きを写し出すことが難しくなります。そこで奥に繋がって行く被写体をフレーミングに取り入れて撮影してみると良いでしょう。その他にピクチャーモードをVividやi-Finishなど色が艶やかに引き出せるモードを使うと雰囲気が良く写ります。
二軸可動式液晶モニターでローポジション撮影
足下の被写体は見過ごしがちになりますが、野山では意外と足下に絵になる被写体が展開しているものです。そんなときには二軸可動式液晶モニターが威力を発揮します。通称「バリアングル」と言われるもので、カメラを低い位置に構えモニターを開き、タッチパネルでピントの位置を決めます。カメラが不安定になっているのでタッチシャッターは使わずピントの位置だけタッチパネルで指示し、シャッターを切るのはシャッターボタンで行うようにすると安定感が増します。逆光時は背面モニターでの撮影は行いにくいものですがOM-D E-M5 Mark IIIは快適に撮影することができました。
- OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
- 焦点距離:28mm相当(35mm判換算)
- シャッター速度:1/800
- 絞り:F8.0
- ISO感度:200
朝日に照らされる白い花。ファインダー撮影では地面に寝転がらなければならないのですが、背面モニターを使用すると上から見下ろしながらの撮影ができ、楽な姿勢で撮影が行えます。
- OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
- 焦点距離:40mm相当(35mm判換算)
- シャッター速度:1/50
- 絞り:F5.6
- ISO感度:400
木道の脇に咲くチングルマ。空間の広さを引き出すためにはローポジションから背景を意識した構図が有効的です。手ぶれ補正をONにして積極的にシャッターを切りましょう。