第12回 OM SYSTEM PLAZA FOCUS展

OM SYSTEM PLAZA FOCUS展とは

OM SYSTEM のカメラ・レンズを使って表現力、創造性に富んだ作品を生み出すフォトグラファーに、発表の場を提供する写真展です。OM SYSTEM プロ会員(OMPS会員)からの推薦により、原則年間2名をOM SYSTEM PRO SERVICEにて選出いたします。

第12回 FOCUS展 宮本 至 写真展「Shine ~ 見沼田んぼ 煌めきの刻 ~」

写真家 萩原 史郎氏の推薦で、自然風景撮影でつながりのあった宮本 至氏を推薦いただきました。
ギャラリーでの27名の写真家による日本風景写真家協会展(萩原 史郎氏は副会長)の
展示と合わせ、多くのお客様に来場いただきました。
宮本さんのライフワークでもある見沼田んぼの
様々な面を捉えた作品20点を美しいプリントでお楽しみいただきました。

写真展情報

  • 会場:OM SYSTEM PLAZA クリエイティブウォール
    開催日時:2022年12月1日(木) ~ 12月12日(月)
    10:00 ~ 18:00

出展者インタビュー

1.写真を始めたきっかけと、風景撮影を行うようになった経緯を教えてください。
 学生の頃、山に行って山野草や高山植物を観察するサークルに所属していました。その頃は主に花や植物にレンズを向け、マクロで撮ることが中心でした。その後、結婚して子供が小学生になるまで、写真活動はいったん休止していました。子供が成長し、なんとなく写真を復活したいなと思った2014年1月に、移住した美瑛の友人宅を訪問、一日のうちで大きく変わる気象条件や厳しい吹雪、美しい雪景色などに刺激され、自分でも撮りたいと強く思うようになりました。ただ、同時に、「旅先で出会う景色は確かに素晴らしいが、様々に変わる季節、気象条件のほんの一部に過ぎず、近くに住んでいる人はそのすべての中からより良い条件を選んで撮影できる。自分も住んでいるところの近くで撮るべきではないだろうか?」と感じ、その年の春から地元で撮ることを意識するようになりました。
 そんなタイミングでOM-D E-M5と60mmマクロを手に入れました。フォトパスに参加して山コミュ(萩原史郎先生)や虫コミュ(黒柳先生)、花コミュ(片岡先生)とやり取りをし始めたころ、小雨降る見沼田んぼの小さな公園にて風景写真家 佐藤尚氏のワークショップ、「里ほっと」と出会い、「見沼田んぼの風景撮影」に目覚めました。
 元来、天邪鬼な自分は、「他の人と違うものが撮りたい」と考え、地元でも普段見れない風景を撮影すべく、他の人が行かない時間帯や他の人が目を向けない被写体を探し、作品にしたいと週末ごとにフィールドを歩き回っています。

2.OM SYSTEMを使う理由はどのようなところですか?
 ミラーレスを使うようになった瞬間からマイクロフォーサーズのカメラを手にしていました。E-M5を手に入れてからはE-M1、E-M1 Mark II、E-M1 Mark III 、OM-1と使っています。
 OMを使う理由ですが、いちばんは「自分の撮影スタイルに合っている」ということです。私は夜景撮影以外は基本的に三脚は使わず、ほほ手持ちで撮影しています。OMの優れた手ぶれ補正はそんな撮影にぴったりです。また、ピントの精度も小さなフォーカシングポイントにきっちり合焦し、作品力を高めてくれていると思います。また、雨天での防塵防滴性能、センサーダストを気にせず、気軽にレンズ交換可能・・・等々、挙げればきりがありません。
 また、従来からセンサーが小さいことのデメリットが語られていますが、私の場合には、「マクロ撮影では適度な被写界深度が得られるので手持ちでも撮影できるし、寄ればボケる」のでメリットの部分も大きいと思います。高感度ノイズについてもOM-1になって大きく改善しましたし、最近ではノイズ処理ソフトも優秀なので問題ありません。
 もっとも、私の場合にはOMにレンズ資産をつぎ込み過ぎてマウント替えできないのも大きな理由ですが(笑)

3.作品を撮るとき、何を大切にしていますか?
 実は私、撮影中「風景を撮っている」意識はありません。フィールドに出て光の変化を楽しみながら、自然を写し撮っている感覚です。なので光の変化の大きい朝の撮影が大好きです。作品を撮るときにはまずその時の感動をいかに写し撮るかに重点を置きます。
 また、生き物を撮るときにはその場の環境や色、音などが感じられるよう、全体に画作りをしています。撮影に行くときは、「今日はあそこでこれを撮ろう」などとイメージして現場に向かいますが、天候やその時の状態によって裏切られることがしばしばです。でもそこでめげずに、周辺を歩き回って、「ほかに何かないか?」宝探しのような気持ちで歩き回って探しています。こんな時に得られる作品が好きだったりします。
 また、撮影後はその日のうちに、「見た、感じた色や光に忠実に」を心掛け、ナチュラルに仕上がるように現像しています。

4.展示を経て気づいたこと、感じたことはありますか?
 今回の写真展では隣で風景写真のプロ集団の方のグループ展が同時開催されていたおかげで、本当に多くの方々に作品を見て頂くことができました。多くのお客様に接し、貴重な感想やご意見伺えたのは今後の写真活動にとって、大きな糧となりました。お客様から構図や撮影時期、被写体など多くの質問を受けましたが、特にプリントについては「キラキラしている」、「全部同じ紙?」、「立体感があって触ってみたい」など、作品の評価に直結する、非常に多くの感想を頂きました。「自家プリントで6色染料のインクジェット」とお答えするとビックリされました。自分でも大好きなマット系アート用紙の選択、プリンタとの相性などがうまくいったのかなあと、大変嬉しく思います。
 また、今回の展示、「見沼田んぼ」と銘打っていますが、実は裏テーマで「地元で撮ろうよ」と呼び掛けていました。何人かの方に「地元で撮りたくなった」、「地元を再認識しなきゃ」と感想頂き、本当に嬉しかったです。

5.今後取り組みたいテーマなどはありますか?
 ここ数年「いつかはOMシステムギャラリーで写真展がやりたい」と思っていましたが、今回、多くのお客様に作品を見ていただき、さらにその想いが強くなりました。そのためには相棒のOMとともに、さらに地元の作品を撮り溜めていきます。

出展者プロファイル

宮本 至(みやもと いたる) 埼玉県川口市在住。
8年前の初夏、小雨降る見沼田んぼの小さな公園で、風景写真家 佐藤 尚氏のワークショップ「里ほっと」と出会う。
ほぼ同時にオリンパスのユーザー交流サイト「Fotopus(山コミュ、花コミュ、虫コミュ)」に参加、地元での撮影に目覚め、本格的に「見沼田んぼ」を撮り始める。
以来、週末毎に「見沼田んぼ」で風景や小さな自然を写し撮り、SNSや写真展等で発表している。
5年前より風景写真の対戦型イベント、「TCC」や「フォトマッチ」に「チーム関東レヴォーグ」の一員として参加。

所属:
里ほっと、チーム関東レヴォーグ(PHOTOMATCH TEAM CHAMPIONS CUP)

写真展(個展):
2020年7月 南浦和 カメラの光盛堂II「Breath ~見沼田んぼ 四季の息吹 ~」
2021年10月 ケンコートキナーギャラリー「Breath ~見沼田んぼ 四季の息吹II ~」
他 里ほっと写真展等 グループ展多数

受賞歴:
フジヤカメラ マイクロフォーサーズフォトコンテスト 大賞
オリンパス Fotopus salon Award 2020 2ndステージ優秀作品
ピクトリコフォトコンテスト2020-2021 ネイチャー部門 グランプリ 他

推薦者コメント

宮本さんとはフォトパス「山コミュ」時代に、メンバーと管理人という立場で知り合い、今や大切な友人。作風は当時から個性的なものでしたが、風景写真家・佐藤尚氏が主宰する「里ほっと」に参加し、埼玉県の見沼田んぼをメインフィールドにして以降、さらに個性は進化。細やかな観察眼と大胆な表現力によって、スケール感のある風景はもとより、足もとの小さな世界にドラマを与える力量は特筆すべきものがあります。OM SYSTEMと親和性の高い撮影スタイルで表現された作品を、存分にお楽しみください。

萩原 史郎(はぎはら しろう) 1959年山梨県甲府市生まれ。写真誌「風景写真」の創刊時メンバー。現在は写真誌寄稿、コンテスト審査員、写真教室講師、講演会講師、写真クラブ例会指導など幅広く行う。著書多数。最新刊は「風景写真まるわかり教室」(玄光社)。写真集「色 X 旬」(風景写真出版)。写真展は2015年「色 X 情」、2019年「色 X 旬」、2020年「志賀高原 -Whisper of the Scenery-」、2022年「色彩深度」を開催。日本風景写真家協会副会長、日本風景写真協会指導会員、日本学生写真部連盟指導会員など。

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