第6回 オリンパスプラザ FOCUS展

オリンパスプラザ FOCUS展とは

オリンパスのカメラ・レンズを使って表現力、創造性に富んだ作品を生み出すフォトグラファーに、発表の場を提供する写真展です。オリンパスプロ会員(OGPS会員)からの推薦により、年間2名をオリンパスプロサロンにて選出いたします。

第6回 FOCUS展 山岸伸プロデュース 永野剛氏・前田佳宏氏 ポートレートふたり展

【撮影】永野 剛 【モデル】竹内 まりん

【撮影】前田 佳宏 【モデル】秋元 るい

【撮影】永野 剛 【モデル】緑川 ちひろ

【撮影】前田 佳宏 【モデル】凛々華

全国のヨドバシカメラ撮影会の中で見事入賞歴のある永野 剛氏と前田 佳宏氏。
長年ヨドバシカメラ撮影会の講師として指導を務める
写真家・山岸伸氏の推薦により、「FOCUS展」開催の運びとなりました。
多くの参加者の中から入賞を勝ち取ったのは、作品に光るものがあるからこそ。
是非そのふたりによる展示をお楽しみください。

写真展情報

  • 会場:オリンパスプラザ東京 クリエイティブウォール
    開催日時:2020年7月17日(金)~ 7月29日(水) 木曜定休
    11:00 - 18:00
  • 会場:オリンパスプラザ大阪 クリエイティブウォール
    開催日時:2020年8月17日(月)~ 9月2日(水) 木曜定休
    11:00 - 18:00

出展者インタビュー

1.写真を始めたきっかけと、ポートレート撮影を行うようになった経緯を教えてください。
前田: 長く続けられる趣味を探していた中、イベントなどの際に記念写真を撮ることが好きだったことを思い出し、写真を始めてみようとカメラを手に取りました。2011年のことで、その時手に入れたカメラはOLYMPUS PENでした。カメラの基礎講座から始まり、ジャンルを問わず色々な写真講座で勉強したのですが、その中でポートレート撮影の講座を受けたときにすごく面白い!と感じ、それからはポートレート系の講座に絞って通うようになりました。毎月約1万回シャッターを切ることを課し、毎週末撮影に励みました。

永野: 私はいわゆる「カメコ」だったので(笑)、写真を始めた瞬間から人物を撮っていました。あるモデルさんを何度か撮り続けているうちに「せっかく人を撮る以上は、その人を綺麗に撮ってあげたい」という気持ちが生まれていったのですが、あるときその方を撮影するために参加したのが「山岸伸写真塾」でした。そこで山岸先生の撮影する姿を目にし、「この人について行きたい!」と思って以来、先生の写真塾に通い続けてきました。

2.撮影時に心がけていること、または山岸先生との交流の中で影響を受けたエピソードがあれば教えてください。
前田: モデルさんの表情や仕草を切り取ることを意識しています。格好良くポーズを決めている瞬間よりも、一連の動きの中で現れるふとした瞬間を捉え、モデルさんそれぞれの内面、時間の流れ、更には自分自身の感じたものも込められたらと思っています。カメラの設定やテクニックは被写体を際立たせるために重要なものですが、それらに囚われすぎてリズムが途切れてしまわないよう、撮影中に設定作業を行う時間は最小限にします。
撮影会やイベントで山岸先生の姿を見ていて感じるのは、たまたま撮れた良い写真ではなく、ちゃんと意図して撮影された良い写真を大切にされているということです。ある本の中で先生が「連写せず、自分を信じてシャッターを切るように」といったことを話されていました。私自身も「今、何をどう撮りたいのか」というビジョンを明確にして、自分の目で今だと感じた瞬間にシャッターを切るよう心掛けています。そうやって心を込めて被写体に接した実感の持てる写真には、先生からも「愛がある」というコメントをいただけるんです。

永野: 私は完成イメージをあらかじめ綿密に考えるというよりも、直感で撮影していくタイプです。モデルさんに出す指示は立ち位置くらいで、あとはモデルさんにお任せしてしまいます。山岸先生の写真塾に通っては、先生がモデルさんへ出す指示やそれによって出来上がる画を片端から見様見真似で実践してきました。先生のように、撮影はノーファインダーで液晶画面を覗きながら行うのですが、いつからか画面を見ていてふと「ゾワッとくる」感覚を覚えるようになりました。その瞬間にシャッターボタンを押すと、自分でも納得のいく写真が撮れます。この感覚は、「とにかく沢山撮れ」「360度、自分で動いて撮れ」という山岸先生の教えに倣って積み重ねたことで得られたものではないかと思っています。

3.今回の展示ではそれぞれ8点の作品を出展いただきましたが、どのようにしてセレクトしたのでしょうか。
前田: これまで撮ってきた作品で構成しました。そのため一貫したテーマで撮ってきた訳ではないのですが、躍動感や動きのあるものを意識して取り入れています。先ほどの話にも繋がりますが、作品の大半はモデルさんが動いている途中を捉えたものです。髪の毛や服、身体の動きから女性らしさを演出できているのではないかと思います。それから、ハイライトとシャドーの描写を使い分けることが楽しく、明暗それぞれ取り入れた作品をバランス良く選択したつもりです。

永野: ステートメントにも書いたのですが、私は「このモデルさんはこんなに美しいんです!」とか、「私はこんなにこのモデルさんが好きなんです!」ということを表現するために撮影をしてきました。「自分にとって写真とは何か」と自問しながら撮影に臨んだ結果、撮影をしたモデルさんと写真を見る人に思いを伝える「ラブレター」だという結論に至りました。折角山岸先生と同じ時期にオリンパスプラザで展示ができるということで、全て撮りおろし作品で揃えることにしたのですが「ラブレター」として自分の中でしっくり来るものがなかなか撮れず、一度協力してもらったモデルさんにもう一度声をかけて撮影し直すなど、試行錯誤を重ねました。

4.展示を通じて感じたこと、これからの撮影について考えることはありますか。
前田: 山岸先生と一緒に写真展に参加でき、今も夢のような気持ちです。写真を趣味にして良かったなと心から思っています。今回に限らず、展示をしていて感じるのは「被写体が誰か」によって見る人の関心度合いが大きく変わることです。私の今後の撮影においては、見る人にとって「知らない人」が写っていたとしても、思わず足を止めて眺めたくなるような作品を撮ることを目標にしていきたいです。

永野: 山岸先生と一緒に展示を行えた、という時点でもはや写真愛好家としてのゴールを迎えてしまったような気持ちでもあります(笑)。次のゴールを何にするかは、展示を終えてひと段落してから考えようと思いますが、引き続き自分の直感と先生から教わったこと、どちらも大切にしつつ撮影に励んでいくつもりです。先生の撮影する様子を傍で見ていてもう一つ印象的だったのは、どんなに短い撮影時間でもテキパキ進め、バシッと決める姿。プロの中のプロなので当然ではありますが、時間を無駄にせず少しでも良い作品を撮る姿勢など、これからも沢山学ばせていただきたいと思います。

出展者プロファイル

永野 剛(ながの つよし) ●展示タイトル「Photo is a loveletter」
1978年福岡県出身。2012年2月~山岸伸写真塾に積極的に参加し指導を受ける。ヨドバシカメラのフォトコンテストにて2017年の年間最優秀賞をはじめ計6回の賞を受賞。 個展を開催する等精力的に写真活動を行っている。
ヨドバシカメラモデル撮影会フォトコンテスト2017年度 年間最優秀賞
第1回昭和記念公園モデル撮影会フォトコンテスト特選
第3回としまえんモデル撮影会フォトコンテスト特選

使用機材:OLYMPUS OM-D E-M1 mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO

Instagram:@tsuyoshinaganophotographer Twitter:@warabi__

【出展者コメント】
今回写真展をさせていただくにあたり、「自分にとって写真とはなんだ?」ということを改めて考えながら取り組みました。私はモデルさんについて「このモデルさんはこんなに美しいんです!」とか、「私はこんなにこのモデルさんが好きなんです!」ということを表現したいと思って撮影をしていました。また、これまで撮影をした写真はなるべくプリントして渡すようにしていました。
自分にとって写真は撮影をしたモデルさんと、写真を見る人に思いを伝える「ラブレター」だという結論に至りました。


前田 佳宏(まえだ よしひろ) ●展示タイトル「週末の天使」
大阪生まれ、大手化学会社で印刷関連機材の企画・開発・製造・販売に携わる。現在、技術翻訳者。フォトグラファーとしてのハンドル名は「ひーろ」。
2011年 オリンパスカレッジにて、ポートレート写真の基礎を学ぶ(講師:土屋勝義氏)
2011年秋 尊敬する山岸伸先生とお会いし、以後、写真塾・イベントなどを通じて写真を学ぶ
2012年 オリンパス CP+特別講座グループ賞
2013年 京都舞妓撮影会:準特選
2019年 ヨドバシ社長賞、特賞、審査員賞、その他入賞多数

使用機材:OM-D E-M1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO/M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8/M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROなど

Instagram:@superhirochan
Twitter:@ultraherochan
HP:http://herosfotograph.com/

【出展者コメント】
ポートレートを撮り始めたとき、毎週末に撮影し毎月約1万回シャッターを切ってフレーミングや構図や光の読みなどの基本をマスターしました。若い頃に美術館で鑑賞した西洋絵画が自分 の写真における絵作りに反映していると思います。写真を撮るとき・技術や背景作りはあくまでも被写体であるモデルを際立たせるものであること・ポーズより表情や仕草を写すこと・鑑賞者がモデルの内面や時間の流れ、更に撮影者の心を感じることができることを大切にしています。

推薦者コメント

永野さんへ 永野剛さんとは、約6年くらいのお付き合いだと思います。私が山岸写真塾というものを細々と自社スタジオで開催しております。ほとんど皆勤賞です。最初のころは引っ込み思案でなかなかシャッターを押さない子だな~と思っていましたが、何年も経ち、少しずつ人見知りも治り、写真も積極的に撮るようになってきました。私は機材面とか撮影の仕方を細かく指導はしませんが、撮っている姿はいつもしっかりと見ています。彼は、SNSでは「蕨ちゃん」と名乗っています。あまり本名を気にしたことがなかったので、ずっと蕨ちゃんでしたが、ある時ヨドバシカメラの年度賞を撮った時に、永野君という名をほぼ初めて知りました。いつからこんなに腕を上げたのか。私に勧められてOM-Dを購入し、しっかりと山岸イズムを汲み取ってくれたと私自身たいへん嬉しいです。これからの蕨ちゃんの活躍を期待しています。

前田さんへ 前田さん、写真展おめでとうございます。突然の私の推薦、快く受けていただきありがとうございます。前田さんは美しすぎる日本画家の後藤真由美さんを私に紹介してくれたり、公私ともお付き合いさせていただいています。知り合ったころから女性ポートレートを真剣に撮っていて、アマチュアカメラマンとしては、私が見た限りでは最高峰にいらっしゃる方だと思っています。ここ何年かスランプだと思っていましたが、いつの間にか努力で脱出し、今は写真を楽しんで撮っていらっしゃることを嬉しく思っています。迷わず、これからも自分の思った通り写真を撮って行ってください。

二人への共通メッセージ ヨドバシカメラの審査には残念ながら私は参加していません。その中から山岸写真塾に来てくださっている2人が審査員に写真を選んでいただき、私は鼻高々です。

山岸 伸(やまぎし しん) (社)日本写真家協会会員/(社)日本広告写真家協会会員/とかち観光大使2016年日本写真協会 作家賞受賞
俳優・アイドル・スポーツ選手などのポートレートを中心に、広告・グラビア・写真集・雑誌撮影など、幅広く活躍。とかち観光大使として、ばんえい競馬を中心に撮影で貢献している。オリンパスギャラリーにて『世界文化遺産 賀茂別雷神社(上賀茂神社) 第四十二回式年遷宮 ~正遷宮 迄の道~』などを開催。『瞬間の顔』写真展は今年で12回目を迎える。『靖國の桜』(徳間書店)『輓馬』(朝日新聞出版)写真集の他、2016年10月25日 天皇皇后両陛下が賀茂別雷神社参拝の際にオフィシャルとして全撮影のち、『天皇皇后両陛下参拝の儀記念誌』が発刊される(現・上皇様、上皇后様)。
HP:http://www.yamagishi-shin.com/

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